成長期にサッカーがうまくなるためにに必要な大切なバランス要素とは?

記事執筆者
木村柄珠

理学療法士 Physical Therapist
山口県体育協会認定トレーナー
フィジカルプラス代表
毎年国体山口県チームに帯同しています。

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コケないように片足でバランスが取れない子どもたち

フィジカルプラスで体のケアやトレーニングをしているお子さんはサッカーをやっている子が多いです。

以前にも言いましたが、サッカーはまずコケないことが正義←(こちらをどうぞ)です。

バランス不良に対する自覚があったり、保護者からも同様のことを感じることがありますが、実際にはバランスの問題を抱えながらもプレーする子供が非常に多いことが現状です。

バランスといっても、バランスのとり方は人それぞれで大きく異なりますし、競技によっても必要なバランスのタイプも異なります。

例えば、サッカーにおいては、特殊な状況(ジャンプやボレーシュートなど)を除いて、ボールを足で操作することから、まずは片足で立っているときのバランスを考慮すべきと言えます。

一方、下記の画像のような体操競技においては、足が空中に浮かんでいない状況をかなり想定する必要があります。

一言で説明するのは難しいですが、サッカー選手に対するトレーニング指導をする上で最も重視するのは片足でのバランス能力ですので、ここについては以下で紹介します。

器械体操の種目

お子様は片足でバランス良くきちんと立てますか?

サッカー少年が押されたわけでもないのにコケる理由はこちら

サッカーで必要になるバランス能力について考えてみると、サッカーは常に片足で立ったままボールを蹴ることが出来なければならない競技といえます。

つまり片足で立ったまま、自由にボールを蹴る事、走ったり止まったりがバランスを崩さずにができることが必要になることが解ると思います。

実はこの片足で立つということが出来ないお子さんが非常に多くおられます。フィジカルプラスにご来店の子供たちははじめのうちはほぼ100%出来ていません。

実際にサッカーをプレイする際にはその場で蹴る、走りながら蹴る、強く蹴る、インサイドやインステップなど蹴りわける、ヘディングするために飛ぶ、走っていて止まるなどの動作様式が変わってくるのでここで言うものはあくまで基本的なバランス力と思われて下さい。

一口に片足立ちと言っても、様々な要素があり一見うまく片足立ちができているように見えても、膝が少し曲がっていたり、足の裏の外側、ないし内側に偏った付き方をしていて実際にはうまく立てていない。

無意識に身体を傾けたり、腕などを使って体の動きを制限しながらバランスを取って無理やりサッカーをしてしまい、結果としてプレーの質を下げている場面が多くあるのです。

足踏み

以下にバランスチェックの方法を紹介しますのでまず簡単にチェックしてみましょう!

ゴルフボールを使って片足バランスチェックをしてみよう

ゴルフボールを一つご用意下さい。

両腕を体の前で組んで上半身を動かさないようにして、片足をゴルフボールに乗せて立つようにします。

この時、ゴルフボールには足裏が軽く付く程度にして、床に付いている方の膝はしっかりと伸ばします。この時点でフラフラする方はまずこれでふらつかないようにしっかりと練習して下さい。

ゴルフボールを使った運動

少しでもフラフラする場合はバランス不良が明らかにあります。

簡単にできるようで、立っている側の足の裏などがグラグラしやすいので注意して観察してみると良いと思います。

注意点としてはゴルフボールに載っている側の脚が地面につかないようにすることになります。

余計なところに力が入ったりしていないか?

呼吸が止まっていないか?

などバランス以外の部分にも注意して観察してみてください。

実際にチェックしてみていかがでしたが?

上手にできていれば基本は大丈夫ですが、ここを見ている殆どの方はうまくできなかったのではないでしょうか?

うまくできなくても心配はいりません。

時間をかけて丁寧にエクササイズを継続していくと子供さんであれば殆どの方はうまくできるようになります。

以下に簡単なエクササイズを紹介します。

ゴルフボールを使ったエクササイズでバランス力アップを目指しましょう

バランス向上のためのエクササイズと言っても実際には特別なことをする必要はありません。

先程バランスチェックした状態のまま片足の下ゴルフボールを足の裏でコントロールするようにするだけです。

方法としては足裏を使って右回りや左回りにコロコロ回します。

この時に手でバランスを取ったり、軸足側の膝が曲がったりしないように気をつけます。

はじめのうちはフラフラするかもしれませんが、根気強く続けていきましょう。

左右の足とボールを回す方向も左右やります。難しいときは前後に動かすことから初めて見ると良いでしょう。

ここまでできるようになって初めて大きな動きが必要になるトレーニングが必要になってくると思います。

また日本ではステップワークの練習が少ないように私自身感じることが多いので、様々なステップを安定して早く行えるようにラダーなどを利用したりしてステップワークも徐々に行っていくと良いと思います。

バランスエクササイズ応用編

先程のエクササイズが上手になったら応用編です。

片足をボールに載せたままゆっくりスクワットをしてみます。

このようなスクワットの方法はバランスも比較的取りやすく、よくある片足スクワットに比べて片膝にかかる負担が少なく成長期でも安心して負荷をかけていくことができるため有用です。

スクワット

ここまで可能になると利き足かどうかに関わらずどちらの足でもある程度蹴り分けできるようになってきます。

バランスが悪いお子様だと、ほとんどの場合利き足以外ではうまく蹴ることができません。

サッカーの場合はやっているカテゴリーやレベルによっても違いますが、中学生くらいにはある程度左右がうまく使えてほしいと個人的には思っています。

プレー中にバランスが悪い、利き足以外で蹴れない、転びやすく姿勢が気になる場合は特にチェックをしていただければと思います。

以上のようなエクササイズを続けて上手になってくれば、左右の足に関係なく足裏でボールを転がしながら歩いたり、走ったりすることができます。これによりバランス能力が向上し、足裏を使った細かいボールコントロールの練習にもなります。

足裏のボールコントロールのエクササイズについてはまたの機会に紹介できればと思います。

今回は比較的わかりやすい片足で立っている状態とスクワットの状態についてのバランス能力について紹介してきました。

サッカーでは重心の高さが大きく変わり、場合によっては足を引っ掛けられたりもあるため、このような動きまで考えると、普通にサッカーの練習をしていてもなかなかバランスが取れません。

しかし、動きのバリエーション自体は繰り返しやればかなりのお子様ができるようになります。

ご参考になれば幸いです。

動きのバリエーションの拡大自体は繰り返しやればかなりのお子様ができるようになります。

小さい間は特にですが、本人も保護者もついついボールを蹴ることやゲーム内容自体に目が向きがちではあるのですが、小学校低学年くらいからフィジカル面からバランス能力まで高めることができると中学生くらいで急激に能力が伸びやすくなります。

仕事で出会うお子さんたちももう少し早く出会えてればと思う子も沢山いますので、お子様の能力をしっかりと伸ばしたいと思われればフィジカルプラスまでご相談ください。

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