姿勢が悪いことが原因で起こる肩こりはもんでも良くならないのはなぜか?

記事執筆者
木村柄珠

理学療法士 Physical Therapist
山口県体育協会認定トレーナー
フィジカルプラス代表
毎年国体山口県チームに帯同しています。

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姿勢が悪いと肩がこるのはなぜか?

肩こりの一番大きな原因は、普段の姿勢の悪さと考えられます。

多くの方の顎が上がり、猫背気味になり、肩が前方へ出た状態になっている事が多いです。

このような姿勢では体の様々なところにストレスを掛け、もんだりほぐしたりしてもなかなか良くなりません。

以下ではなぜそうなるのかについて紹介していきます。

猫背は首と肩にストレスをかけ続けてしまう

良い姿勢と悪い姿勢

首と肩甲骨をつなぐ筋肉はたくさんあり、頭の位置が前方へ変位する事で、特定の部分に非常にストレスがかかります。

画像の一番左のように、頭の重さを背骨や股関節で支えられないことで、首や肩の周りの筋肉がこわばりやすくなってしまいます。

このような姿勢が日常的に続くと、肩の周囲の血流が悪くなったり、肩から腕にかけてつながっている神経を圧迫したりすることがあり、しびれが出たりします。

呼吸が浅くなりカラダが余計に硬くなる

猫背の状態が続くと、肋骨の動きを制限し始めてしまいます。

そのため、呼吸がしづらく、浅くなっていきます。

呼吸の中でも、息を吐くことで筋肉の緊張は緩みます。したがって猫背状態が続くと筋肉自体も硬くこわばりやすくなってしまいます。

筋肉や関節の機能が落ちてしまう

不良姿勢では肩関節自体の構造にも悪影響を及ぼす事があるため注意が必要です。

筋肉は縮み続けても、伸び続けても本来の機能を発揮することが出来ません。

頭が前側にずれた位置にあると、画像のように肩甲骨や首の周りの筋肉が常に引っ張られた状態となりやすくなります。

長い間このような状態が続くと首や肩の周りにある関節や筋肉が持っている本来の機能を発揮できず、肩こりによる不調が常態化します。

筋肉や関節の位置が安定しなければ肩こりは続いてしまいます

これまで挙げてきたように、首や肩こりのある方では姿勢による、体の機能が働きにくい状態が常にあります。

マッサージなどで一時的にほぐしてみても姿勢自体はほとんど変わりません。

肩こり解消にはトレーニングが必要です。

知っておいてほしいことは関節を動かしているのは筋肉で、正しい筋肉の働きができなければ、関節は正しい位置にはなりません。

また反対に関節が正しい位置にないと筋肉は正しく働きません。

日常的に肩こりを感じている方はまず自分自身の姿勢を鏡やスマートフォンなどで確認してみてください。

つまり実際には筋肉の働き、関節の位置を調整しするためにはトレーニングが必要となるということになります。

トレーニングをして良い状態が安定して保てるようになれば肩こりはそれだけでも解消してしまうのです。

マッサージ、整体などで施術しても一時的には良くなるかもしれませんが、原因となっている姿勢や動作が変わらないと根本的に良くならないと思ったほうが良いでしょう。

普段からできる頭の位置の調整方法

普段からできる簡単な方法を少し紹介します。

壁を使った頭の位置調整方法

姿勢の特徴

壁に背中を向けて背中と頭の後ろを壁にしっかりと付ける。

この時顎を後ろにしっかりと引くようにしましょう。

1分から2分程度行います。

肘を使って胸を張りやすくする方法

脇を締める運動

脇を締めたまま腕を後ろに繰り返し引く

肘はつかないでしょうが、両肘を背中でつけるようなイメージで行いましょう。

10回程度から始めてみて痛みが出なければ、30回程度までやりましょう。

以上2つのトレーニングを紹介しましたが、他にも必要なことがあると思います。まずは日頃の姿勢をチェックするところから始めてみてください。

まとめ

姿勢が首や肩に与える影響について述べてきましたが、問題となることのほとんどが、自分自身の普段の姿勢や動き、行動パターンによって作られています。

「普段の姿勢をよく思い出してみてください」

ほとんどの方が自分自身で痛みやコリを感じる姿勢や動きが思い浮かぶと思います。

まずは自分自身の姿勢をチェックしてトレーニングを2週間程度継続してみてください。

姿勢そのものは変わったと感じないかもしれませんが、肩こりについては少し楽になると思います。くれぐれも無理して行わないように注意してください。

しつこい肩こりでお悩みの方へ