鼠径部痛が起こったらまずは医療機関の受診をしましょう
鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)はサッカー選手に多く、陸上競技やラグビーなどの男性選手に多く発症すると言われている鼠径部周辺から下腹部にかけてに痛みが出現する疾患です。
多くは下肢の外傷後やスポーツによる使いすぎにより筋力の低下や柔軟性の低下、可動性の低下による拘縮などが起こり股関節周囲の繰り返し動作によって発生しています。
スポーツ現場で股関節の痛みを訴える場合は、安易に自己判断せず、恥骨結合炎や鼠径ヘルニア、疲労骨折などの器質的な問題があるかないか整形外科などで確定診断を受けるようにしてください。
痛みが強い場合は医師の判断によってスポーツを中止し、リハビリテーションでで対応することになるはずです。
慢性化すると鼠径部が常に痛むようになります。特に下肢を伸展して挙上、外転する動作で誘発されやすく、股関節の可動域制限、筋力低下なども起こるため、対象部分のストレッチやスポーツ動作のチェックまで必要になります。
もし器質的に問題がないのであれば、機能的な問題(鼠径周辺部痛症候群)としてフィジカルプラスのコンディショニングコースで対応可能です。
一般的なグロインペイン症候群の予防方法
グロインペイン症候群の予防には、股関節周囲の筋柔軟性の確保、体幹・股関節周囲筋の強化などがあげられます。
また、サッカー選手では、下肢と上肢を体幹と連動させた負担のかかりにくいキック動作を獲得することが必要になります。
実際にはまず筋肉の柔軟性が低下している場合が多いためまずは必要なストレッチから紹介していきます。
股関節周囲のストレッチング
グロインペイン症候群を含む股関節や鼠径部痛を起こしやすい選手の多くは股関節周囲筋の柔軟性の低下がみられることが挙げられます。
グロインペイン症候群の予防において特に重要なのは、股関節内転筋群の柔軟性を保つことになります。
その他股関節の伸展筋群である大殿筋やハムストリングスなど後面の筋肉、屈曲筋の腸腰筋や大腿直筋です。
内転筋のストレッチ
いわゆる股割りを行います。
膝を軽く曲げて両手を太ももの上に置き、体を左右にしっかりとねじります。
股関節の内転筋部の痛みに注意しながら行いましょう。
片側30秒ずつ、3から5回繰り返します。
ハムストリングスのストレッチ
テーブルやベッド等に両手を着き足を軽く前後に開きます。
そのまま左右のかかとをしっかりと付けたまま、膝の曲げ伸ばしを繰り返し行います。
太ももの裏に軽くハリを感じる位置を探して繰り返し行います。
低い位置に手を置くほどしっかりと伸びます。
30回程度を目安に3セットから5セットを痛みの状態に注意しながら行いましょう。行う前と行ったあとで前屈をして体が柔らかくなっているか確認してみると効果を感じやすいと思います。
大殿筋のストレッチ
両膝を立てて仰向けに寝ます。
片足を膝が外に開くようにして組みます。
そのまま足を胸の方に向かって曲げていきます。お尻や太もものあたりにハリを感じるくらいまで曲げたら、そのまま30秒止めます。3から5回繰り返しましょう。
お尻や太ももに伸びる感じがない場合は膝をしっかりと開くようにしてみましょう。鼠径部や内転筋の痛みに注意して無理せず行いましょう。
腸腰筋と大腿直筋のストレッチ
片足を前に踏み出して後ろの膝を後方に付きます。
この時点で太ももや鼠径部が突っ張る場合はこのまま止めます。
突っ張り感がなければ画像のように太ももを曲げるように手でしっかりと引っ張ります。痛みの状態に注意しながら30秒伸ばします。3から5回繰り返しましょう。
股関節周囲のトレーニングで股関節をスムースな動きに!
股関節周囲の筋肉のバランスを整えるトレーニングになります。
椅子に腰掛け、膝を外に開き足を下の動画のようにします。足の小指側の側面が床につくようにします。
そのまま足の側面で包丁で切るようなイメージでかかとをゆっくりと上下に上げ下げを繰りかえします。(スピードの遅い貧乏ゆすりのイメージがわかりやすいかと思います)
股関節の周囲にだるさを感じる程度にやっても良いです。1分を3から5セットから始めましょう。もちろん痛みに注意しながらやります。
終わったあとに足踏みなどをして足が軽くなったらうまく行えています。
以上グロインペイン症候群の予防やリコンディショニングに使えるストレッチとかんたんなトレーニングを紹介しました。
サッカーや陸上競技などで鼠径部や内転筋部に痛みを感じたらお試しください。
痛みが常時ある場合や強い場合は迷わず医療機関を受診しましょう。
アクセス・営業時間
下関市フィジカルプラス
住所:山口県下関市長府土居の内町2-9
サンデン城下町長府バス停から 徒歩3分、駐車場も完備しています。
営業時間: 月〜土 9:30〜19:00 / 日・祝祭日は不定休