気持ち良いけど、ボキッと鳴らすことはなぜ注意が必要なのか?

この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)
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この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)

ボキッと鳴らす施術

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。今回は、ときどき耳にする「ボキッ」と音を鳴らすタイプの施術について、少しお話ししてみたいと思います。

下関にも、カイロプラクティック・整体・整骨院・気功など、さまざまなスタイルの治療院やサロンがあります。それぞれに得意分野があり、熱心に取り組んでおられるところも多いと思いますが、中には少し強すぎる施術が行われているケースもあるようです。

その一つが、「ボキッ」「ボキボキ」と関節を鳴らすような施術です。

音が鳴ると、一瞬スッキリしたように感じたり、終わった直後は体が軽くなったような気がする…という方も少なくありません。
ただ、その「気持ち良さ」だけで続けてしまう前に、知っておきたいポイントがあります。

βエンドルフィンによる「一時的な気持ちよさ」はあるが…

関節から音が鳴るとスッキリした感じがするのは、脳内でβエンドルフィンという物質が分泌されることで、一時的に痛みを感じにくくなるためと考えられています。

ただし、音が鳴るような強い刺激を伴う施術は、力加減の見極めが非常に難しいという面があります。過度な力が加わると、

  • 関節のまわりの組織(靱帯・関節包など)を傷めてしまうおそれがある
  • 筋肉に「反射性抑制」が起こり、本来働いてほしい筋肉がうまく働きにくくなる

といった状態につながることがあります。

筋肉が正しいタイミングで収縮・リラックスできなくなると、
関節の安定性が低下し、かえって負担が増えてしまう可能性もあります。

さらに、「ボキッ」と音が鳴る感覚やスッキリ感を繰り返し求め続けることで、
行為そのものへの“クセ”が強くなり、本来の目的である「痛みや不調をやわらげる」ことから離れてしまうこともあります。

気持ちよさを優先して、自分で頻繁に首や腰を鳴らしたり、
音を鳴らすこと自体を売りにしているような施術には、十分な注意が必要です。

下関でも、強い力での施術のあとに「だるさが強く出た」「痛みがかえって増えた」「しびれが気になるようになった」といった声を耳にすることがあります。

施術を選ぶときに大切にしたい視点

どこに相談すればよいのかは、本当に迷うところだと思います。
一つの目安としては、

  • とても強い力で、勢いよく関節を動かすことを前提としていないか
  • 施術前に、今の状態やリスクについての説明がきちんとあるか
  • 施術後の体の変化や、注意点についても話してくれるか

といった点を確認してみると、選ぶ際の参考になります。
実際に通っている方のお話を聞いてみるのも、一つの方法です。

フィジカルプラスの考え方:ボキボキしない、安全を優先した施術

フィジカルプラス下関では、「ボキッ」と音を鳴らすような強い矯正は行っていません。

理学療法士として培ってきた解剖学・運動学の知識をもとに、

  • 姿勢や歩き方・動きのくせを丁寧に確認する
  • 関節や筋肉にかかる負担を考えながら、急な力を加えないやさしい刺激で整えていく
  • お一人おひとりの年齢・体力・生活スタイルに合わせて、
     ご自宅で続けやすいセルフケアもお伝えする

といった点を大切にしながら、安全性を最優先にしたコンディショニングを行っています。

「強く押されるのは苦手」「ボキボキ鳴らす施術は少し不安」という方にも、
安心してご相談いただけるような場でありたいと考えています。

力任せの施術ではなく、からだのしくみを踏まえたやさしいケアで整えていきたいという方は、ぜひ一度フィジカルプラスのメニューもご覧になってみてください。

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