筋トレで股関節の調子は良くなっていますか？
変形性股関節症の方で痛みを解決するために筋トレを頑張っているという方が多くおられます。
実際に医療の現場でも中殿筋筋力低下によると言われる痛みのある側へ起きるカラダの傾き(トレンデレンブルグやデュシャンヌ歩行）があり、中殿筋の筋力の低下も筋力検査でわかります。
中殿筋は股関節を外転（横向きに外に開く）する機能があり、その動きをしっかりできるようにしたほうが歩行状態は良くなると感じる方が多いのではないでしょうか？
筋力アップのために実際に横向きに寝たりして足を開くトレーニングを行っている方もいることでしょう。理学療法士に指導されて盲目的にやってる方も結構います。
しかしながら実際にそのようなトレーニングを行っていてかえって痛みが強くなったり、思ったように力がでないまま悩んでしまう方も多くいるのです。
また筋トレを頑張って行い、筋力的にはが十分になっているにも関わらず、実際に歩いてみると歩行状態がほとんど変わらず、途方に暮れてしまうこともあります。もし、筋トレを続けていても歩行状態が変わらないと感じていたら今一度股関節痛のトレーニングについてもう一度改めて考え直してみましょう。
そもそも股関節痛に中殿筋の筋力トレーニングは必要なのか？
医療現場での経験から言えば、中殿筋の筋力がノーマルに程遠い状態であっても歩行に関しては痛みもなく、特に問題なくしっかりと行える方が多くおられます。
私自身も実際には変形性股関節症があっても、正常歩行（に近い状態を含む）を行うため中殿筋に必要な筋力はそれほど必要ないと考えています。
むしろ中殿筋に無駄な負荷がかかりすぎて股関節周囲の筋肉の状態が悪くなっていることのほうが多いと感じています。
ただでさえ負荷がかかっている部分に更にトレーニングで負荷をかけてしまうと余計に痛みが強くなる可能性が高くなるのは容易に想像できるのではないでしょうか？
実際には中殿筋のトレーニングは股関節痛にも必要ですが、状況に応じて鍛えていく順番や優先すべきことがあるということです。
特に荷重時における中殿筋と密接に関わる腰方形筋との筋力バランスは大切です。腰方形筋についてはまたの機会に説明します。
スポーツの世界でもそうですが、順序よく行うことで必要な筋力を得ることが出来るようになりますし、パフォーマンスの向上もついてきます。
少なくとも中殿筋の筋力強化をする前に中殿筋自体が硬くこわばったりして、過剰な負荷がかかっていないか？
腹筋群やその他の筋力が正常であるか？
股関節の可動域はどうなっているか？
など股関節に限らずカラダは正しく使えているかどうかということは確認するべきだと思います。
筋トレをしていて効果が出てないと感じていたら筋トレの前に筋肉のコンディションを整えるということを重視すると良いでしょう。
筋トレだけににこだわらない事も大切です
痛みがあるのは筋力不足だから筋力強化をしなさいと医療機関ではよく言われます。
しかしながら、痛みがあると「杖をつきなさい」と言われているのに「筋力を鍛えなさい」とか「あまり長い距離を歩かないように」などと鍛えているのか休ませているのかどっちなの？と悩んでしまう方も少なくありません。
痛みをとるには筋トレ以外の方法もあります、筋トレだけにこだわらず体の状態と目的に合わせて適時内容を変化させていくことが大切です。
股関節に痛みを抱えている方が考えないといけないことは実際には筋力より股関節の関節可動域を狭くしないということになります。
股関節の痛みがあって、行っている筋トレやプールでのトレーニング、ウォーキングなど長く続けている方ほど、今一度内容が自分にあっているかどうか確認してみて下さい。
まとめ
股関節痛に限らず膝関節痛などでもそうなのですが、とかく筋力がないから痛みが取れないんだとと筋力強化に一生懸命になる方が多くおられます。
実際には真面目に続けている方ほど過剰な負荷によりかえって痛みを強くしてしまうことがあるという現実を知ってほしいと思います。
筋トレをして痛むときにこれは筋力がないから痛いんだと勘違いしないように気をつけてください。
特に股関節疾患の方では、中殿筋を鍛えたから痛みが取れるというような単純な話にはならないのです。
股関節疾患をお餅の方の多くは中殿筋が硬くこわばっていることも多いため、中殿筋にこだわることはかえって危険です。適切な時期に適切な負荷をかけていくためには専門家の力が必ず必要になります。
股関節に痛みなく正しく歩くためには筋トレだけが正解ではないということを念頭に起き、幅広い情報を手に入れる努力をしてみてください。
一つの方法だけにこだわりすぎるとかえって痛みが強くなるので注意してみてください。
