サッカー少年が押されてもいないのに勝手にコケてしまう理由

この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)
スポーツの痛み・成長期のけが
この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)

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何故押されてもいないのに勝手にこけるのか?

サッカー選手のケガ予防・復帰サポート | 下関現役Jリーガーも通う下関のフィジカルプラスです。
日常的にサッカー少年たちの保護者の方から「すぐにコケるんです」「バランスが悪いみたい」「動きが大げさなんです」聞くことがあります。
理由は一言で言うと「重心がどこかに極端に傾いているから」ということになります。
フィジカル面でもプロを目指すレベルにあるような高校生でもボールに向かっていくときやボールを取られそうなときに接触していないのに、よくわからないうちに後ろへ転ぶ状況がよくあります。
これは重心が後ろに傾いていると思って頂けると良いと思います。
このようなお子さんの状態はなかなか変わらないと考える方が多く、仕方ないとそのままにしてしまいがちです。
しかし、重心位置のコントロールを身につけるトレーニングを2週間程度行うだけでかなり改善していきますし、ここが良くなるだけでもパフォーマンスには大きな変化が起こると自覚して頂けると良いと思います。

では重心位置のコントロールができないお子さんの特徴とは何でしょう?

バランスのコントロールの出来ない子

サッカーに限らずコケやすい特徴を持ったお子さんは、自分自身でも猫背やカラダの硬さを自覚しています。
言い換えると猫背や体が硬いためにバランスをとるために必要な可動範囲が小さいということになります。
例えば猫背の場合、常に上半身の重心が後方に残り、ボールを奪うために足を前に出すと背中を曲げて後ろに傾かせる方法しか取れなくなってしまいます。
画像のような感じですね。

サッカー

ただでさえ後ろに倒れそうな状態にあるカラダは後ろに倒れやすくなるのは当然ですよね。
ボールを奪いに行った際に押されたわけでもないのに後ろにこけてしまうのにはこのように原因があるのです。
猫背でなければ胸をしっかりと張ることで重心位置を前方へ移動させてコケないように保つことができます。全国を目指すようなレベルのチームの高校生でも案外これができずに伸び悩む子もいるためサッカーにおけるパフォーマンスの向上には必要不可欠なものになります。
ここでは重心位置のみのお話にとどめますが、実際には肩甲骨を初めとした上半身のコントロールは足を主に使うサッカーにおいても必要不可欠な要素になりますのでパフォーマンス向上のためには必ず必要になりますし、プロになれるような選手では普段は猫背でもプレイ中はしっかりと重心位置をコントロールできます。
また、カラダが硬い場合、足を出そうとすると、カラダ全体を後ろに傾けなければ足が前に出せないため重心位置はやはり後方に残り同じように後ろにコケやすくなります。
これについては簡単にチェックすることが可能です。
コケないためには重心位置のコントロールとカラダの柔軟性、ここでは言っていませんが筋力のバランスが必要になります。
ある意味サッカーは「コケないこと」が正義かと思いますので、単純に「こけないようにする」ためには猫背や体の硬さ(特に股関節の硬さ)を解消するだけでもパフォーマンスの向上が見込まれます。
重心位置のコントロールを身につけることは、サッカーがうまくなるためには重要な要素であることがわかると思います。

バランスのとり方は人それぞれ

股関節のバランス

バランスを取るために必要な要素は非常に沢山ありますが、手を動かしたり、膝を曲げたり伸ばしたりと体全体を使ってしまいます。
筋力が強く、運動能力が高いことが災いしそれでもなんとかバランスが取れてしまうこと子がいるのですが、それが問題となり重心のバリエーションを減らしてしまいます。
(バランスのとり方に問題があるということになります)
したがって、客観的にバランス能力を見るのであれば必ず個別にチェックが必要となります。
簡単に行なえますのでまずは以下を読んでみてください。

バランス能力を2つ簡単にチェックする

猫背姿勢でバランス能力があまり高くない選手の場合

片足立ちをさせてみてください。(挙げた方の足は膝がおへその位置に来るようにします)

足踏み

条件をつけずに行ってみると、肩甲骨、腕や頭の位置、支えている側の膝を不必要に曲げたりします。
必要以上に力が入っていることも多く、大げさな動きが見られます。
チェックにより不安定と感じるのであれば
手を頭の上で固定する
軸足の膝をちゃんと伸ばす
挙げた足を動かさない
などカラダの動きを制限してバランスチェックを行うと良いでしょう。
以下にチェックポイントを挙げていきます。

膝をしっかりと伸ばしているか?

片足立ちでは軸足の膝を曲げてバランスを取ろうとすることがあります。
膝をきちんと伸ばして立たせてみると、足の裏があちこちと浮いたりして足裏でバランスをうまく取れていないことがわかります。
太ももやふくらはぎが硬い場合も同じような現象が起こり膝がしっかりと伸びない場合があります。

手を使ってバランスを取っていないか?

バランス

片足で立ってみたときに、手をやじろべーのようにつかったり、カラダを左右に傾けたりする。
本来重心を動かさない片足立ちの場合、体幹のインナーマッスルを働かせカラダを安定させます。
体が大きくブレる場合は原因としてインナーマッスルを中心とした筋力不足と姿勢不良が考えられられプレイ中に常に余計な力が入りしなやかな動作ができていないと推測されます。

両肩が上にあがっていないか?

画像は片足立ちではありませんが、上半身が後方に傾いている様子がよく分かると思います。

姿勢と動き

両肩が上がると通常どんな方でも画像のように猫背気味になります。
横から眺めてみると上半身が足の位置に対して後ろにあることがわかると思います。
肩が挙がっていなくても、猫背であれば重心位置が後方に傾き後ろ方向に倒れやすくなります。
以上をチェックして問題があると感じればトレーニングを始めましょう。
実際には様々な要因が複雑に絡み合ってバランスの悪さにつながっている場合がほとんどです。
以下にトレーニング内容を紹介していきます。

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コケないための簡単トレーニング

足の裏の柔軟性を高くする

足踏み板

現代では道路もほとんど舗装されており、足裏の柔軟性を維持することが難しくなっています。
まずは足裏をしっかりとほぐし柔軟性を取り戻しましょう。
画像のようなボコボコのついた板を使ったり、ゴルフボールなどを利用して、足裏をしっかりとほぐします。
注意点として
土踏まずにはあまり刺激を入れすぎない
毎日少しずつで良いので継続する
があります。
足裏が柔らかくなるだけでもバランス能力は改善していくので根気強く続けましょう。

ゴルフボール運動

ゴルフボールの場合は座って行うと、ボールがあちこちに逃げてしまいます。
床に座って自分の手で補助しながら、小指と薬指の間あたりを前後にかかとのあたりまで縦にしっかりと転がしましょう。
土踏まずの部分はやる必要は基本的にありません。
多くのサッカーをやっている小中学生・高校生ではこれらを行うと痛みが出ると思います。
足裏は元々かなり丈夫で可動性がある部分ですので、次の日に痛みが残らない程度であれば強めに行って大丈夫ですが、無理はしないでください。

足裏の機能を向上させる

柔軟性が落ちた足の機能はほぼ間違いなく落ちています。
土踏まずが潰れて扁平足であったり、開張足と呼ばれるクッション性の低い状態がよく見られます。
クッション性の落ちた足では怪我もしやすくなりますので、少しずつでも鍛えていきましょう。
足の形の崩れは年齢が進むと改善は難しくなります。小学校の低学年までによく確認して続けましょう。

足裏の機能チェック

まずは足の指が自分の力でしっかりと曲げられるかチェックしてみましょう。

足指の屈曲
握りこぶし

曲げたまま止められるか
そもそもがうまく曲がるかどうかを確認します。
足裏の機能を向上させるためには足の指を曲げる力がしっかりと入ることが大切です。
うまく曲げられなければ、手を使って少しずつ曲げていくようにします。
タオルギャザーなどが有名ですが、指がしっかり曲がらない場合はストレスが溜まるのでやめましょう。

足の指

しっかりと曲げる練習を行い、それができたら画像を参考にして、足を揃えた状態で足の指をまげて前に進む練習をしてみましょう。

足の指の運動

これは体重がかかった状態で足の指に力を入れる良い練習になると思います。
前に進めない場合はとりあえず曲げるようにだけ頑張ってみてください。

下肢全体の柔軟性を高くする

筋膜ストレッチ

太ももでは大腿四頭筋、ハムストリングスの硬さがプレー時の可動性を大きく邪魔することがあります。
また、可動性が低いと足を引っ掛けられたりした際に筋肉を痛める可能性が高くなります。
日頃から注意をしておくべきでしょう。
ふくらはぎの筋肉が硬く、ストレッチはやっている方が多いと思いますが、思うように伸びない方のほうが多いのではないでしょうか?
ストレッチをやる前に是非画像のようなストレッチを取り入れてみてください。
膝は軽く曲げておくと無理なく伸ばせます。
筋膜をリリースするような形となりますが、これを行うことで下肢の硬さが取れやすくなります。
2分位行いましょう

体幹機能を高めて猫背を解消する

バランスが悪く感じるとすぐに「体幹トレーニング」が思い浮かぶ方が多いと思います。
余計な力を入れないことと、必要なところにしっかりと力がはいることを重視しましょう。

肩甲骨の動きを改善するエクササイズ

またカラダの前側が全体に硬くても胸を張りづらく猫背になりやすいため注意が必要です。
画像のように両肘と両膝をついた姿勢を取ります。その状態で片方の手を床と平行になるようにしっかりと伸ばします。
通常の四つ這い姿勢だと肘でごまかしてしまうため必ず肘をついた姿勢で行いましょう。
はじめのうちは腕が平行にならないかもしれませんが徐々にできるようにしていきましょう。
この時、腕が耳にしっかりと付くようにすることに注意をしてください。
簡単なようですが、バランス不良がある場合は非常に難しいので決して無理はしないようにしましょう。

良いバランスでステップトレーニング

バランスのトレーニングを更に進めていくために、ステップワークでバランス良くステップを踏む練習をして実際のサッカーに活かします。
下記の動画のようにできるだけ腰を落として動画のように片方の足を軸にして反対の足をしっかりと開きながらステップを踏むようにします。

ステップワークその1

動画ではマーカーを置いて足がブレにくいようにまたぐように行っています。
(お手本がスピードが遅いのは年齢のせいです・・・)
顔をしっかりと上に向けて可能な限り背中も伸ばすようにします。
サッカーは基本的にボールを蹴るときに片足で立っていることが多いので上手くバランスを取りながら足を自由に動かしていく練習になります。
クラブチーム等でもステップワークの練習はあまりやっている印象はないので個人的にしっかりと練習しておくと良いでしょう。

ステップワークその2

交互に足を踏み変えながら前方や後方へ動いていきます。
動画ではちょっと手に力が入っていますができるだけ力を抜いて行います。

これもスピードが遅いのは歳のせいです・・・
うまくできるようになったら頭の上で手を組んで手でバランスを取らないようにしていくと良いでしょう。
ステップワークについては様々なバリエーションがありますので、You Tubeなどを参考に色々と見てみるとバランス能力の向上が目指せると思います。

まとめ

以上、バランスチェックからサッカーに必要なバランス向上トレーニングを紹介してきました。
今回の内容は基本的なことで、やるべきことは他にもたくさんあります。
どのトレーニングも基本的なものですので、出来ない場合は必ずやりましょう。
サッカーだけに限らず、バランス不良が気になったら、基本的なことを普段から継続していくとプレー中にコケたり、バランスを不用意に崩す場面が減少します。
チーム練習等では行えないので個人練習を普段から組み入れてライバルに差をつけましょう。
まずは一度バランスチェックしてどこに問題があるのか確認してみていただければと思います。
成長期は技術もフィジカル面も環境次第で大幅に能力が変わります。
一度覚えてしまえば2週間もあれば違いを感じることができるようになります。
サッカーがうまくならないと諦める前にまずはバランス能力を向上させましょう。
フィジカルプラスはサッカーがうまくなりたいと考えているお子さんをフィジカル面から応援しています。下関近郊でサッカー強豪校、プロを目指している選手はご相談ください。

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2025年シーズンよりよりJ2モンテディオ山形に加入が内定しました堀金峻明選手のコンディショニング・トレーニング指導を高校、大学で帰省時など行っています。5月12日(日)特別指定選手としてJリーグデビューしました。

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この度、関東学院大学属の堀金 峻明選手が2025シーズンよりモンテディオ山形へ加入することが内定しましたのでお知らせいたします。   堀金 峻明 Shunmei HORIKANE 生年月日 : 2002年12月25日(2

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理学療法士(Physical Therapist)。
病院勤務時代には、延べ4万人以上のリハビリテーションに携わる。現在は「フィジカルプラス下関」代表として、痛みや動きにくさと向き合いながら生活や競技を続けていくためのコンディショニング支援を中心に活動。地元の中高生からプロアスリートまで幅広くサポートし、山口県スポーツ協会認定トレーナーとして10年以上国スポにも帯同している。

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