原因のはっきりしない腰痛
実は、スポーツ活動において病院等にかかってみてもどこも悪くないと言われて治療院めぐりを繰り返す子供さんが非常に多くおられます。
成長期に起こりやすい腰の疾患として腰椎分離症やすべり症などがありますが、このような場合は医療機関できちんと診断をして頂くと原因がはっきりしますが、多くの場合特に問題ないと言われてしまうことがあります。
レントゲン等を撮ったりMRI等の画像診断でもどこも悪く無いのに痛みがあると、病院では何もしてくれない!
と医療機関に対して不信感が募ることで鍼灸や整骨院、カイロプラティック、整体、気功など様々なところをめぐり思い悩む方が本当に多くおられ同年代の子供を持つ私も人事ではありません。
画像診断で問題のない多くの場合は腹筋群と背筋群の出力バランスに問題があります。このような場合は硬いところをいくらストレッチしても動き出すと普段の癖が出てしまいすぐに痛みが再発しやすいのです。
また、筋膜などにもクセが見られ多くの場合足部や足指に柔軟性の不足、可動性の不足といった問題がみられます。
単純にカラダが硬いということもありますが、足部や足指の柔軟性や可動性を出してあげるとそれだけで痛みが和らぐことも多く経験します。
理由としては重心位置が移動して立っているときや運動時の力の入れ方に変化が出るからです。
腰痛の子の姿勢の特徴
フィジカルプラスにお越しの原因のはっきりしない腰痛のお子さんのほぼ全員が常に腰が反っているという特徴を持っています。
スポーツ活動において腰はやや反っている(骨盤が前傾している)という特徴は有利になる場合が多いのですが、実はこれが原因です。
反っている事自体は問題でなく、反った状態からうまく曲げることが出来ない、腰回りの筋肉をきちんと緩められないことが問題になっていることが多いです。
腹筋のやり方に問題があることがあります
腰痛には腹筋を鍛えなさいとよく聞くことがありますが、いわゆる腹筋をしても痛みは増すばかりでまず取れません。
特に昔ながらの腹筋運動のように体をしっかりと起こすようなやり方は腰痛をよりひどい状態にしてしまうことがあるため注意が必要です。
普段の生活やスポーツ活動における姿勢や動作のくせにより常に腰が反っている状態のお子さんが、通常の腹筋を繰り返すと太ももの前の筋肉などに負荷がかかり、余計に腰の反りが強くなってしまいます。
このように原因がはっきりしない場合には普段の姿勢や動作が原因となっている可能性が考えられます。
しかしながら、実際にはカラダに悪いところがないので途方に暮れる必要はありません。
以下でチェック方法と腹筋の鍛え方について紹介していきます。
筋肉のバランスまずチェックしましょう
原因がはっきりしない場合は腹筋群と背筋群のバランスが悪いことがあります。
スポーツを行っていると背中の背筋群が緊張しやすいため以下のようなチェックで、腹筋群と背筋群のバランスを大まかにみることができます。
・両膝を立てて上向きに寝たまま、両膝を離さないようにして両膝を足の力で胸に寄せます。
ただこれだけです。
・胸に両膝がしっかりくっつけられない
・両膝が外に開いて離れる
場合は背筋群に比べ腹筋群が働きづらいと言えます。このような状態であればいますぐ、通常の腹筋運動はやめましょう。
※腹筋が弱いわけではありません
細かく見るともっと注意すべき点がありますが、まずはこれをチェックして以下へ
筋肉のバランスチェックで背筋群が強い場合
上記のチェックでうまく行えない場合は今から紹介する運動を行います。
はじめのうちはうまく出来ないかもしれませんが、少しずつやってみましょう。
はじめのうちは勢いをつけて良いので、まずはしっかりと両膝をくっつけて胸に近づけるように繰り返し行います。
1セット30回程度を目安にします。
両足では難しい場合
画像の状態から、片方の膝は立てたまま、片方の膝を胸に寄せるようにします。
この時は膝がまっすぐ胸によっていくように気をつけましょう。
少しでも痛みが楽になるようであれば痛みがなくなるまで毎日やって構いません。徐々にセット数を増やしましょう。
笑い話のようですが、数ヶ月間どこに行っても取れなかった痛みがたったこれだけで当日すぐ、もしくは数日もしないうちに良くなることを多く経験します。
まとめ
体の使い方というのは普段から意識しづらいのですが、実際にはちょっとしたコツを知るだけできちんと変わっていきます。
今回紹介したチェック方法や運動内容に関しても子供さん本人や保護者の方たちはびっくりするようですが、特別なことをするわけでなく小さな子供さんでも行えるような単純な運動です。
子供さんだけでなく大人の方でかなり競技レベルの高い方でも同じような状態でお困りの方がおられます。
原因がはっきりしなければお試しください。