股関節痛のある人はよく考えて筋トレをしなければならない理由とは

この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)
骨盤前傾と後傾 股関節の痛み・臼蓋形成不全
この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)

股関節の筋トレ、その前に一度立ち止まって考えてみませんか?

「筋力をつけましょう」と言われたときに知っておきたいこと

股関節の痛みで整形外科などを受診したとき、
「筋力が足りないので鍛えましょう」「筋トレを続けてください」
と言われた経験のある方は多いのではないでしょうか。

その言葉を信じて、ジムに通ったり、プールで一生懸命ウォーキングをしたり…。
ところが、頑張っているのに痛みがあまり変わらない、むしろ強くなってしまったという声も少なくありません。

理学療法士としてお伝えしたいのは、「股関節が痛い = とにかく筋トレ」ではないということです。
とくに臼蓋形成不全や変形性股関節症のある方では、やり方によっては筋トレがつらさを強めてしまうこともあります。


股関節の痛みは「関節そのもの」だけが原因とは限りません

股関節の痛みと聞くと、
「骨が変形しているから仕方ない」「関節がすり減っているから痛い」
とイメージされる方が多いと思います。

しかし実際には、筋肉や腱、筋膜など“レントゲンに写らない部分”がつらさの中心になっているケースも少なくありません。

例えば、

  • お尻の横(中殿筋まわり)がガチガチに張っている
  • 太ももの前側が常に突っ張って重だるい
  • 足の付け根の奥が、動かしたときだけピリッとする

こうした症状は、関節そのものだけでなく、股関節周囲の筋肉が過剰に緊張しているサインであることが多くあります。

つまり、「筋力が足りないから痛い」というより、「筋肉の使い方やバランスの偏り」で痛みが出ている方も少なくない、ということです。


筋トレを始める前に確認したい3つのポイント

股関節の痛みがある状態で筋トレをスタートする前に、次の3つをチェックしてみてください。

  • 関節の可動域はどうか
    靴下がはきにくい、足の爪が切りにくいなど、動かせる範囲が狭くなっていませんか?
  • 筋肉の硬さ・こわばりはないか
    お尻や太ももの一部だけ、異常に張っている場所はありませんか?
  • 姿勢や骨盤の位置はどうか
    立ったときに、いつも同じ側に体重をかけていませんか?骨盤が片側に傾いていませんか?

この3つに大きな偏りがある状態で、
いきなり負荷の強い筋トレを追加してしまうと、もともと頑張りすぎている筋肉にさらに負担をかけてしまうことがあります。

とくに臼蓋形成不全や変形性股関節症の方では、
「筋力そのもの」よりも「関節を守るための使い方」を見直すことが先に必要になるケースが多いと感じています。


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下関のフィジカルプラスでは、臼蓋形成不全・変形性股関節症・人工股関節術後など、
股関節まわりの不安に対して姿勢と動作に着目したマンツーマンサポートを行っています。
股関節の特徴やサポート内容については、専用ページでも詳しくご紹介しています。

股関節の痛みページを見る

股関節を守るための考え方:筋トレの前に“整える”ステップを

フィジカルプラスでは、股関節まわりに痛みがある方に対して、いきなり筋トレだけを増やすことはほとんどありません。

まずは、

  • 関節が安心して動ける範囲(可動域)を確認する
  • 過剰にこわばっている筋肉を見つけて、負担を減らしていく
  • 骨盤や体幹(お腹まわり)の支え方を整える

といった「コンディショニング」を行ったうえで、必要に応じて少しずつ筋力トレーニングを組み合わせていきます。

筋トレ自体が悪いわけではなく、
「今の状態で、どの筋肉に、どのくらいの負荷をかけるのが適切か」を見極めることが大切です。
ここがずれてしまうと、真面目に頑張っている方ほどつらさが増してしまうことがあります。


こんな筋トレの続け方には要注意です

もし、すでに筋トレを続けていて、次のような状態に心当たりがあれば、やり方を見直すサインかもしれません。

  • 筋トレを始めてから、股関節まわりの張りや重さが増している
  • トレーニングの直後だけでなく、翌日以降も痛みや違和感が長く続く
  • しばらく続けているのに、靴下をはく・しゃがむ動作が楽になっていない
  • 片脚立ちや歩き始めの一歩目に、怖さや不安定さが残っている

これらは、筋力アップよりも先に「動きの質」や「使い方」を整えたほうがよいサインと考えられます。
股関節の痛みを抱えたまま自己流の筋トレだけを続けるのではなく、一度立ち止まって、カラダの状態を整理してみてください。


股関節痛と筋トレで悩んだら

股関節の痛みは、関節だけを見ていても答えが出ないことがよくあります。
筋肉の状態、姿勢、骨盤や体幹の使い方、歩き方――それらが重なり合って、今の痛みや不安につながっています。

「筋トレを頑張っているのに、思ったように変わらない」
「このまま続けて良いのか不安」
そんなときは、一度プロの目でカラダ全体のバランスをチェックしてもらうことをおすすめします。

フィジカルプラスでは、臼蓋形成不全・変形性股関節症・人工股関節術後など、股関節の不調に悩む方に対して、
筋トレだけに頼らない「姿勢と動作」の見直しを中心としたサポートを行っています。

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現在のお身体の状態や生活状況をうかがいながら、
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理学療法士(Physical Therapist)。
病院勤務時代には、延べ4万人以上のリハビリテーションに携わる。現在は「フィジカルプラス下関」代表として、痛みや動きにくさと向き合いながら生活や競技を続けていくためのコンディショニング支援を中心に活動。地元の中高生からプロアスリートまで幅広くサポートし、山口県スポーツ協会認定トレーナーとして10年以上国スポにも帯同している。

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