股関節に負担のかかる歩き方に気をつけよう
臼蓋形成不全などで股関節に不安がある方は、日頃の「歩き方」や「体重のかけ方」を少し意識するだけでも、股関節への負担をやわらげるきっかけになります。必要に応じて専門家のチェックを受けながら、できる範囲で見直していきましょう。
これまでフィジカルプラスに来られた方の様子を見ていても、臼蓋形成不全に限らず多くの股関節疾患の方に、歩行時の体重のかけ方や姿勢のくせがみられます。
歩き方のくせはそのまま、
- 見た目の歩き方(フォーム)
- 痛みの出やすさ
- 手術と保存的なケアのどちらを選ぶかという判断
といった点にも大きく影響していると感じています。
股関節に不安がある方の多くは、知らないうちに特定の筋肉ばかりに負担をかけてしまい、その結果として関節の動きがかたくなったり、筋肉が短くなってしまうことがあります。その一番の原因になりやすいのが「歩き方」ですが、自分ではとても気づきにくい部分でもあります。
臼蓋形成不全に多い「体重のかけ方」の特徴
歩行の中でも特に大切なのが、足に体重がしっかり乗る立脚中期〜後期と呼ばれる場面です。このタイミングで、股関節にどう荷重するかがポイントになります。
理想的には、横から見たときに「耳・肩・股関節・膝・くるぶし」がほぼ一直線に近くなり、股関節の真下あたりに体重が落ちている状態が望ましいとされています。
ところが臼蓋形成不全の方では、
- 股関節が十分に後ろ(伸展位)までいかない
- 臼蓋のかぶりが浅く、荷重時に不安定さを感じやすい
といった理由から、股関節が「くの字」に曲がったままの位置で体重を受けてしまう歩き方になることがよくあります。

図のように、お尻が後ろへ引けた姿勢のまま体重が乗ると、骨盤が後ろに傾きやすく、腰への負担が増えて腰痛の原因になることもあります。
本来であれば、立脚中期〜後期にかけて股関節はスッと伸びていき、膝から下は体の後ろ側へ自然に抜けていくような流れが理想です。しかし臼蓋形成不全の方では、股関節の伸びが途中で止まり、
- 膝が常に少し曲がったまま体重を支える
- 腰や太ももの前側の筋肉に余計な力が入り続ける
- 足が前へ出るときも、股関節より「膝下の力」に頼りやすい
といったパターンになりやすくなります。
このような歩き方では、本来臼蓋の丈夫な部分で体重を受けたい場面でも、それが難しくなり、関節の一部に負担が集中しやすくなります。その状態が長く続くと、股関節の変形が進みやすくなるおそれも考えられます。
フィジカルプラスでは、
- 体重をかけたときに、股関節のどの位置で受けているのか
- 重心の通り道(足裏のどこに多く乗っているか)
- 骨盤や上半身の向きがどう連動しているか
といった点を細かく確認しながら、「股関節の真下あたりで、足裏全体に体重がふわっと乗る」イメージが持てるようにサポートしていきます。
歩き方のくせは、自分では気づきにくい
歩き方は、子どもの頃から少しずつ身につけてきた「その人なりのパターン」です。
そのため、ご自身ではまったく意識していない歩き方のくせが、股関節への負担を増やしていることも少なくありません。
「歩き方を変えましょう」と言われても、
- どこをどう直せば良いのか分からない
- 意識しても、気づくと元の歩き方に戻ってしまう
という方がほとんどです。
歩行は、いわば「日常生活のフォーム」です。スポーツのフォームと同じように、
- 筋力
- 体の使い方
- タイミング(力を入れる順番)
などが複雑に組み合わさって成り立っています。自己流で何とかしようとすると、かえって負担が増えてしまうこともあります。
無意識のうちに股関節へ負担をかけ続けないためには、一度、専門家の目で歩き方や体重のかけ方をチェックしてもらうことがとても有効です。
「自分の歩き方が股関節にどんな影響を与えているのか知りたい」「今の歩き方のまま進んで大丈夫か不安」と感じたら、一度ご相談ください。
臼蓋形成不全と股関節への負担については、
股関節のページでも詳しくご紹介しています。あわせて参考になさってください。


