重心位置が変わると関節の痛みが変わる?
こんにちは、フィジカルプラス代表の木村です。
重心が変わるだけで痛みが変わる?と言われてもピンとこないと思いますが、今回は記事のタイトルに有るように、重心位置が変わると痛みが変わったり、痛む部分が変わったりすることについてお話を進めてみたいと思います。
重心位置が何かを知りましょう
一口に重心と言っても様々なものがあり、様々なホームページなどでも重心についての記載があると思いますが、今お困りの痛みに対してどうしたら良いのか?
スポーツパフォーマンスの向上にはどのようにすればよいのか?
など実際にどうすればよいのか?ということについてはわかりにくいのではないでしょうか?
一般の方が重心と聞いて思い浮かぶものについてはおそらく足の裏のどこに体重がかかっているか?
ではないかと思いますが、同じように足の裏に体重がかかっていても実際には様々な姿勢の状態によってカラダの使い方は違っていることがあります。
動作の場合も同様で人によって様々な使い方をしており、重心が前とか後ろとか一口で言うことは実際には非常に難しいと感じています。
このように、人によって異なる姿勢や動作を行う際のカラダの使い方のことを運動戦略と言います。(ちょっと大雑把な表現ですがご了承ください)
今回は重心と痛みの関係について一般の方にもわかりやすく、おおよそのイメージをして頂けるように紹介していきますが、これが全てではなく、その他にも様々な要素があるということは頭の片隅においておいていただければと思います。
1上半身重心、下半身重心と体全体の重心位置の関係
上半身の重心についてはなかなかイメージしにくいと思いますが、正しくは上半身質量重心と表現されると思います。
これは体全体の重心(身体重心と言います)より上部の質量の中心ということになります。これが下半身では下部の質量の中心となります。
教科書的には上半身質量重心は第7胸椎から第9胸椎あたり、下半身質量重心は大腿部二分の一から三分の一の間にあると言われています。身体重心はその中央になります。
大まかには身体重心に対して上半身質量重心が前側にあると全体的に前方へカラダが傾きます。
反対に後ろ側にあると後ろ側へカラダが傾きます。上半身質量重心あたりはちょうど肩甲骨と肩甲骨の間になりますが、いわゆる猫背の場合はカラダは全体的に後ろに傾き、そうでない場合は前側へ傾くようになります。
要約すると猫背の場合は重心が後ろになると覚えておくと良いと思います。
人は後方へバランスを崩すとバランスを取りづらいため、重心位置が後方になると倒れないように必要以上にカラダを酷使してしまう可能性が出てきます。
常に頑張りすぎると痛みが出てしまうということは想像できると思います。
2筋肉のバランスからみる重心位置の関係
次に筋肉のバランスですが、人間は1の重心位置が前方や後方へ(場合によっては左右)に偏りすぎることで倒れないように筋肉を使っています。
大まかには後ろに倒れそうならカラダの前方の筋肉、前に倒れそうなら体の後方の筋肉を使います。
このような状態が長く続くと前後の筋肉のバランスが崩れ、どちらかを過剰に使ってしまい痛みの原因となってしまいます。
実際にはうまく使えていない方の筋肉をしっかりと使うだけでも重心の前後方向の問題は少なくなり痛みの状態が変化することを多く経験しています。
これは酷使していた部分を使わなくて済むようになるからです。
3重心移動の大小によって異なる重心の関係
人は重心移動の量の大きさによってカラダの使い方が違います。
バランス戦略といいますが、通常は支持基底面と言われるカラダを地面で支えている部分から身体重心の位置が出ていくか出ていかないかによって違いがあります。
通常支持基底面内においては足の裏でバランスを取りますが、足が引っかかったときのように急に大きくバランスが崩れた際には股関節が強く働きバランスを取ります。
単純にじっと立っていても下肢の関節に痛みがあれば、足の裏をしっかりと動かし機能性を高めると変化しやすくなりますし、大きく動いたときに痛むのであれば股関節を中心に機能性を高めたりすることで痛みの状態が変わることもあります。
以上のようにただ重心と考えるだけでも幾つかの要因があり、重心位置を考慮するだけでも痛みは変化し場合によってはすぐさまなくなることもあります。
ぎっくり腰等の場合の例
例えとしてぎっくり腰の場合をあげてみます。
ぎっくり腰の場合は無意識に腰を反らせるような力が入り重心が広報に残りやすくなります。
施術などによって重心を変化させたものは時間が立つともとに戻りやすく、そのままでは一時的なものになりがちです。
それを防ぐため、あえて片足をつま先立ちにして少し重心の位置を前方へ向けやすくして重心位置を変化させ他状態で運動を行うのです。
このように行うと、両足を普通についていると立つのに苦労するような場合でも、片方の足をつま先立ちするようにして立つとそれほど苦労せず立ち上がる事ができたりするようなことがあります。
このようにしてみて痛みが軽くなるようであれば繰り返し立ち上がる練習を行います。
痛みの出にくい体の動かし方を学ぶことができるので繰り返して行えば両足を普通についても痛みが軽減して行きます。
ぎっくり腰に限らず腰痛などがあっても痛みが和らぐ場合もありますので以下の動画を参考にされてみてください。
現実的には関節に対して痛みの出にくい重心位置のコントロールして行くために別途トレーニングが必要となることもあります。
フィジカルプラスでは重心だけでなく様々な要素を考慮したコンディショニングを提供しておりますので、様々な治療院等でうまくいかないと感じている方はぜひご相談ください。