長い距離を歩こうとすると、ふくらはぎや足全体に痛みやしびれ、疲労感が現れ、次第に歩けなくなりますが、座ってしばらく休憩をとるとすぐに治まる方がいます。
しかし、休憩後に再び歩き始めると再び痛みが出てくるなどで、結果として日常生活に支障が出てしまい、困っている方が多くいます。
このような歩行状態のことを間欠性跛行と呼びます。
原因には主に神経性のものと血管性のものの2つがあり、神経性のものでは「腰部脊柱管狭窄症」が含まれ、血管性のものは動脈瘤や動脈閉塞など動脈の血流に問題が起こっているものです。それぞれ異なる症状や原因を持つ疾患です。
長く歩けなくて困っている方はこのまま読み進めてみて下さい。
※詳細は医療機関等でしっかりっと診断を受けて下さい。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、腰椎の脊柱管が狭くなり、その結果として通っている神経が圧迫され、下肢に痛みやしびれが現れる状態の総称です。
神経が圧迫されることによって引き起こされる症状は、単に痛みだけでなく異常感覚や筋力低下なども含まれ、これらの症状が合わさり、日常生活において支障をきたすことがあります。
この症状により、脊柱菅狭窄症の方では通常の生活動作においても制約を感じることがあり、それが生活の質に影響を及ぼすことも珍しくありません。
そのため、単なる痛みのみならず、症状が進行すると日常生活への影響が拡大し、慎重な対応や治療の必要性が高まることがあります。
ほとんどの場合、腰部脊柱管狭窄症は体質的な要因に加えて、年齢に伴う変性が影響しており、特に50代以降に発症することが一般的です。
これ以降の年齢層においては、椎間板や関節の変性が進行し、腰椎自体の不安定性や脊柱管が狭窄しやすい傾向が見られます。
そのため、適切な予防策や治療法の検討が重要になることを頭に入れておきましょう。
症状
腰部脊柱管狭窄症には、馬尾型、神経根型、混合型などの種類ががあります。
馬尾型は、腰部脊柱管内の神経の束である馬尾神経が圧迫される状態を指し、この型の主な症状には両下肢のしびれ感や陰部のしびれ、異常感覚が含まれます。
歩行により症状が強く出現し、進行すると膀胱直腸障害と呼ばれる排尿障害や排便障害が発生することもあります。
一方で、神経根型は主に下肢の痛みを訴える方が多く、通常は片側の足に多く見られます。
腰部脊柱管狭窄症の約70%がこのタイプに該当します。
どちらの場合も、体を前にかがめることで症状が軽減され、逆に立った状態や体を伸ばそうとすると症状が強くなる傾向があります。
これらの病態は個人個人で異なり、症状の程度や進行度にもばらつきがあります。したがって、正確な診断と専門的な治療が求められます。
診断
医療機関においてMRIやCTスキャンを使用して脊柱管や神経根の狭窄があるかどうかを確認することが一般的です。
動脈疾患
動脈疾患の場合は、動脈硬化、動脈瘤、動脈閉塞など血管内部における下肢の動脈が狭窄、閉塞などして起こります。
症状
腰部脊柱管狭窄症では前にかがむと痛みが取れることがありますが、動脈性の間欠性跛行がある場合はかがんでも状態は変わりません。
また立っているだけでは痛まないことが多いのが腰部脊柱管狭窄症によるものと血管性のものとの違いになります。
痛む部位についても違いがありますが一般の方では判別しにくいためここでは述べません。
動脈に疾患があるため患部の脈拍が弱くなることがあり、足背動脈(足の甲)や後脛骨動脈(膝裏)の血管の拍動が触れない場合が多くあります。
診断
医療機関において超音波検査(Doppler超音波)やCTアンギオグラフィ(血管造影)などを使用して、動脈の状態を確認して診断がおります
注意点
どちらが原因にしろ自分に当てはまるかもと感じたら必ず専門医を受診し検査を受けることが大切です。またこれまで述べたものは一般的なものですので人によって違うことがあるという可能性を忘れないで下さい。
血管性のものはひどくなると壊死をおこしたりして最終的に足を切断しなければならないこともありますので特に注意が必要です。
腰部脊柱管狭窄によるものでは姿勢によって痛みなどが変化するため医療機関において保存療法を行うこともありますが、加齢とともに徐々に悪くなることも多く治療結果には限界はあると思います。
手術だけにこだわらず保存療法についても検討をしてみませんか?
前述のように治療結果には限界があると言いましたが、最近では同じような脊柱管の狭窄が存在していても症状が出る人と出ない人があり、保存療法に対する期待は高まってきています。腰椎椎間板ヘルニアでもこのようなことが多くあります。
一見地味に思われる保存療法自体もバイオメカニクス的な研究等が進み、理学療法の現場でも手術するほどではない場合に保存療法を選択することが増えてきています。
腰部脊柱管狭窄症の保存療法の場面では、痛みがある多くの方は腰椎自体の異常な可動性や不安定性があります。
このような体の状態を解消することで腰部の特定部分だけが動きすることを予防し、脊柱管の圧迫を最小限に抑えたりすることは可能であると考えています。
また、薬を利用しながら神経障害性疼痛(痛みが続くと、脳まで伝達する神経伝達経路の中で痛みの信号が強くなったり、性質に違いが出てきたりすること)を解消したりすることも可能になってきていますので例え慢性痛であっても場合によっては保存療法についても検討してみると良いでしょう。
フィジカルプラスでは腰部脊柱管狭窄による間欠性跛行に対して腰部の安定性を向上させるための運動、痛みの出にくい姿勢づくりに必要なトレーニング指導を行っています。
先に述べたように保存療法を行うことですべての症状がなくなるわけではありませんが、下関近郊の方で医療機関を受診後に手術するほどではなく日常生活に支障がある方はご相談下さい。
コンディショニングコースにて承ります。
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