「階段の上り下りや、立ち上がりの瞬間に膝の痛みを感じることはありませんか?」
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症は、加齢や体重増加などが主な原因で、膝の関節にある軟骨がすり減ってしまう病気です。軟骨はクッションのような役割をしているため、すり減ると膝に痛みが生じたり、変形したりします。
痛みと運動不足の悪循環
膝が痛いと、どうしても動くのが億劫になり、日常生活での運動量が減ってしまいます。すると、体重が増えやすくなったり、膝を支える筋肉が衰えてしまったりと、さらに膝に負担がかかる悪循環に陥りがちです。
痛みを軽減するために大切なこと
「膝周りの筋肉を鍛えれば痛みがなくなる」と思われがちですが、実はそうではありません。痛みを軽減するためには、日頃の適切なケアと、膝に負担をかけない正しい運動を行うことが重要です。
適度な運動で痛みを軽減
適切な運動は、膝周りの筋肉の働きが良くなり、関節の動きをスムーズにする効果があります。これにより、膝への負担が減り、痛みの軽減につながります。
この記事では、変形性膝関節症の方でも、座ったまま安全に、かつ効果的に行えるトレーニングをご紹介します。
なぜ座ったままのトレーニングが良いの?
変形性膝関節症の方にとって、立ったりしゃがんだりする動作は膝に負担がかかりやすく、どなたも積極的にやりたい動作ではありません。
無理して痛みを我慢しながら行うと、強い痛みにつながることがあります。
そのため、椅子に座ったままできるトレーニングは、膝への負担を最小限に抑えながら、痛みを感じることなく簡単に筋力の向上を目指すことが出来ます。
座ってできる簡単トレーニング
今回は膝が伸びやすくなり、普段歩きやすくなる複数のトレーニング方法をご紹介していきます。
ご自身の体調に合わせて、無理のない範囲で行ってください。
まずは準備運動から!痛みを出さないようにトレーニングを行うためのポイントです!!

膝のお皿の周りを軽くグーでトントン叩きます。
次に画像のように膝のお皿周りの皮膚を上下左右まんべんなくつまんで10回程度引っ張ります。
軽く膝の曲げ伸ばしを行ってから次の運動に入りましょう!
つま先上げ運動

椅子に浅めに腰掛けます。膝を伸ばして膝がなるべく曲がらないようにつま先をゆっくりと上に向かって上げます。
上げた状態で約3秒間キープします。
この動作を10回ほど繰り返します。
1日1セットから3セットを目安に行いましょう。起床直後や、朝昼晩に分けて行うなど、ご自身の都合の良いタイミングで行うことができます。
この運動を行うと、膝の裏側の筋肉が伸ばされ、膝裏やふくらはぎの筋肉が伸ばされているのを感じると思います。※感じない方は膝が曲がっているかもしれません。
膝に痛みがある方では単純に膝が伸びづらいこともあり、この運動を毎日繰り返すだけでも歩行時の膝にかかる負担の軽減が期待できます。
注意点: 動作中に膝に明確な痛みを感じる場合は、無理せず中止して休んでください。
膝伸ばし運動
椅子に座り、トレーニングをする方の足の下に、丸めるか折りたたんで厚みを持たせたバスタオルを敷くとやりやすいです。

トレーニングをする方の膝を3秒かけてゆっくりと伸ばします。膝が伸びきった状態で10秒間キープします。
この動作を10回から15回連続して繰り返します。
膝がしっかりと伸びることを意識すると良いでしょう。
1日に3セットから5セットを目安に行うと良いでしょう。
つま先立ち運動
ここまでやって膝に痛みがあまりない方は思い切って立って運動をやってみましょう!

壁やテーブルなどを持ち、両足をくっつけた状態で、ゆっくりとかかとを上げてつま先立ちになり、5秒間キープしてゆっくりとかかとを下ろします。
10回繰り返します。このとき膝が曲がってこないように気をつけましょう。
トレーニングのポイント
- 痛みを感じたら中止: 無理はせず、痛みを感じたら運動を中止しましょう。
- ゆっくりとした動作: 勢いをつけず、ゆっくりとした動作で行いましょう。
- 毎日継続: 毎日続けることで、効果を実感できます。
- トレーニング後に足踏みをしたりして膝の状態を確認しましょう。
さらに効果を高めるために
- まずは少なめの回数から初めて徐々に回数を増やしましょう。
- 効果が感じられない場合は医師や理学療法士に相談し、ご自身の症状に合った運動プログラムを作成してもらうことをお勧めします。
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まとめ
今回ご紹介した座ってできるトレーニングは、変形性膝関節症の方でも比較的安全に取り組める運動です。これらのトレーニングを続けることで、膝の痛みを軽減し、日常生活をより快適に過ごせるようになることが期待できます。無理のない範囲で、ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。
もし、運動を続けても膝の痛みがなかなか改善しない場合は、整形外科等の受診もご検討ください。
フィジカルプラスではコンディショニングコースにて承ります。