腰痛がなかなか治らない方は無視できない胸椎と股関節の硬さ

この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)
腰痛・しびれ
この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)

画像診断で原因がはっきりしない腰のつらさにお悩みの方へ

腰の痛みが長く続くと、多くの方は一度は病院を受診されると思います。レントゲンやMRI検査を受けた結果、
「骨や椎間板には特に大きな異常はありませんね」と説明されるケースは決して少なくありません。

「こんなにつらいのに、どこも悪くないと言われてしまった…」
このような状況が続くと、何となく不安が募り、いくつもの治療院を渡り歩いてしまう方も多くいらっしゃいます。

医学的にも、腰痛の多くは画像検査だけでははっきりした原因が特定できないと言われています。とはいえ、腰以外の場所、たとえば胸椎(胸のあたりの背骨)や股関節に目を向けてみると、思いがけないヒントが見つかることがあります。

腰のつらさにつながりやすい要素はいくつかありますが、その中でも見落とされやすいのが「胸椎の硬さ」と「股関節の動きにくさ」です。

胸椎は腰と同じ背骨の一部ですが、ここが動きにくくなると背中や肩・腕だけでなく、結果として腰にも負担がかかりやすくなります。
また股関節も、硬さや動きの偏りによって、腰に余計なねじれや反りを強いることがあります。

このように、画像診断で原因が分かりにくい腰痛では、「腰だけ」ではなく、他の関節の動き方にも目を向けてあげることが大切になってきます。

胸椎と股関節の動きが低下すると、腰椎に負担が集まりやすい

まず「胸椎」とはどの部分?

胸椎(きょうつい)とは、首の下から腰の少し上まで、肋骨(あばら骨)とつながっている背骨の部分を指します。
胸のかご(胸郭)をつくり、心臓や肺などの大切な臓器を守りながら、

  • 体をねじる(回旋する)
  • 前かがみ・少しそらすといった動きを分担する
  • 呼吸に合わせて胸郭を動かす

といった役割を持つ、とても重要な部分です。

本来は「胸椎がよく動く → 腰は必要以上にねじれずに済む」という関係があります。
ところが、スマホやデスクワーク、猫背などの影響で胸椎が固くなると、本来あまりねじれが得意ではない腰椎にしわ寄せがいき、腰のつらさにつながってしまうことがあります。

胸部の関節が硬く、腰椎はもともと回旋の範囲が狭い

背骨(脊柱)のそれぞれの部分には、「ここはよく動く役割」「ここは安定させる役割」といったように、得意な機能があります。

胸椎は、腰椎に比べてねじる(回旋する)動きが得意な部位です。
一方で、腰の背骨である腰椎には、回旋の動きはそれほど多くありません。

ところが、加齢や姿勢のくせなどによって胸椎の回旋の可動性が落ちてくると、本来あまりねじれないはずの腰椎が、代わりに無理をして回旋しようとすることがあります。

胸椎が「動くべきところで動けない」状態になると、そのぶん腰椎ががんばりすぎてしまい、結果として腰のつらさが出やすい状況をつくってしまう、というイメージです。

股関節の回旋可動域が狭くなり、脚の開き方・閉じ方が偏る

股関節も、本来は回旋(内側・外側にひねる)を得意とする関節です。ところが、座りっぱなしの時間が長かったり、同じスポーツ動作を繰り返したりすることで、股関節の動きが少しずつ偏ってくることがあります。

股関節の回旋可動域が狭くなると、

  • 脚を開く・閉じる動きがぎこちなくなる
  • 骨盤の向きが一定方向に傾きやすくなる
  • その結果として、腰椎にねじれや反りを強く求めてしまう

といった状態が起こりやすくなります。

胸椎や股関節が固くなることで、腰椎に本来以上の仕事をさせてしまうと、筋肉のこわばりや関節への負担が増え、原因がはっきりしない腰のつらさにつながることがあります。

整形外科などを受診しても、腰の画像検査だけではこれらの要素までは評価されないことも少なくありません。
「腰には大きな異常はない」と言われた場合こそ、胸椎や股関節など、カラダ全体の動きに目を向けてみることが大切です。

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脳が「つらさの出やすい動き」を覚えてしまう前に、早めの対処を

胸椎や股関節がうまく動かない状態が長く続くと、脳はその動かし方を「普通の動き」として覚えてしまいます。
そうなると、腰に負担のかかる動き方がクセになり、腰だけをケアしても変化が出にくい…という状況に陥ることもあります。

また、慢性的な痛みは、ストレスや不安などメンタルの状態によっても感じ方が変わります。つらさを我慢し続けるのではなく、必要に応じて痛み止めを用いることや、専門家に相談することも選択肢のひとつです。

重要なのは、「痛いから何もしない」状態を長く続けてしまわないことです。腰椎そのものに大きな問題がないと医師から説明を受けている場合、
無理のない範囲で少しずつでも動かしていくことが、結果として日常生活での動きやすさにつながることもあります。

長期間の完全な安静は、筋力の低下や動きの悪化につながり、かえって腰のつらさを長引かせてしまうことがあります。
胸椎や股関節の状態を見直しながら、できる範囲から動きを取り戻していくことが大切です。

まとめ 〜胸椎・股関節から考える「原因が見つかりにくい腰痛」〜

人の関節には、大きく分けて「よく動いてほしい関節」と「安定していてほしい関節」があります。
どちらか一方の働きが不足すると、カラダ全体の連動がうまくいかなくなり、思わぬ場所に負担が集中することがあります。

胸椎と股関節は、本来可動性が大きい部位であり、年齢や生活習慣によって硬くなりやすい場所です。
一方で、腰椎はそこまで大きな可動域を持たないため、ここに過剰な動きが出てしまうと、周囲の筋肉や靱帯に負担がかかりやすくなります。

画像診断で大きな異常が見つからなかった腰痛の中には、胸椎や股関節の動きの偏りを整えていくことで、つらさがやわらいでくるケースもあります。

「どこに行ってもはっきりした原因がわからない」「腰のつらさと長く付き合っている」という場合は、
一度ご自身で胸椎や股関節の動き方を意識してみたり、専門家にカラダ全体の動きを見てもらうのも良いと思います。

下関近郊で、腰痛のために治療院を何件も回っているのになかなか方向性が見えない…という方は、
フィジカルプラスでもカラダ全体のバランス確認やご相談を承っています。

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理学療法士(Physical Therapist)。
病院勤務時代には、延べ4万人以上のリハビリテーションに携わる。現在は「フィジカルプラス下関」代表として、痛みや動きにくさと向き合いながら生活や競技を続けていくためのコンディショニング支援を中心に活動。地元の中高生からプロアスリートまで幅広くサポートし、山口県スポーツ協会認定トレーナーとして10年以上国スポにも帯同している。

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