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膝の機能性を考えないで行う大腿四頭筋の筋トレはかえって膝の痛みをつくる?

変形性膝関節症

太ももを鍛えるとはどういうことか?

太ももの筋肉

変形性膝関節症の場合、単に筋肉を鍛えるだけで痛みが軽減するわけではありません。

膝の痛みを抱えている場合、適切な治療やリハビリは医療専門家による指導の下で行うことが必要です。

自己判断でのトレーニングや運動は、逆に症状を悪化させることがあるため、絶対に避けるべきです。

また、変形性膝関節症の場合には、筋肉を鍛えるだけでは症状の改善が限定的であることも指摘されています。

医療専門家による指導の下で、姿勢や体の使い方、運動方法などを含めた多角的なアプローチが必要となることもあります。

そのため、膝の痛みを抱えている場合には、専門家の指導を受けながら、自分に合った適切な治療やリハビリを行うことが大切です。

膝関節の機能を無視しないことが大切

よくある太ももの前側を鍛えるトレーニングはむしろ、何も考えずに頑張りすぎると膝の痛みが強くなりやすいトレーニングと言えます。

医療の現場では実際に変形性膝関節症の患者さんのほとんどが太ももの前の筋肉を強く使いすぎていることが原因で膝の痛みを強くしていました。

これにより膝本来の機能が正しく発揮するために必要な太ももの筋肉の出力バランスが悪くなって、太ももの前側を過剰に使用すること、言い換えると間違った力の入れ方によって作り出されることと言えます。

また関節自体のアライメント(配列)の問題や筋肉の硬さによる可動性の低下など膝の痛みの原因になることは筋力以外にも多くの要素があるのです。

太ももの前側を鍛えるトレーニングを行う場合には、正しいフォームやバランスの良い筋力トレーニングが必要です。

また、膝の痛みの原因は筋力以外にも様々な要素があり、症状の原因を正確に特定し、その原因に合わせた治療やリハビリが必要となります。

自己判断でのトレーニングは、逆に症状を悪化させることにつながる場合があるため、注意が必要です。

膝の痛みがある場合は、医療の専門家に相談することが大切です。

では一体どのようなことに気をつければ良いのか?ということについて以下で述べていきます。

太ももの筋肉を前も後ろもバランスよく使う

私がここでお話している「膝を強く使う」と表現されるのは下の図にあるような「太ももの前側を使いすぎる」ということになります。

大腿四頭筋

これには様々な原因が考えられますが、関節に変形があり膝と足の向きに大きなずれがあって力がもともと入りづらく頑張らないと力が出ない状態

背骨や骨盤の状態に偏りがあり、太ももの裏にうまく力が入らず、それをカバーするために太ももの前を強く使うような状態が考えられます。

そうすると下の図のように太ももの裏側の筋肉が段々と使いづらくなり、筋肉のバランスが悪くなります。

ハムストリングス

このような方たちが足ににおもりなどをつけて膝を伸ばすような運動を行うと膝周囲の筋肉の出力のバランスがどんどん狂っていきます。

頑張れば頑張るほど痛みが良くなるどころか、かえって痛みが強くなり途方に暮れてしまうことになります。

ここで知っておいてほしいことは筋力がないということが問題なのではなく、膝の関節の状態や筋肉のバランスに問題があるということなのです。

このバランスをうまく保つためには関節の状態、筋肉の硬さ、筋力のバランスなどの要素が大切になります。

太ももの裏にも表にも適度に力が入らないといけませんし、適度な柔軟性も必要です。

わからなければ医師や理学療法士などの専門家に相談することが大切です。

その際単純に筋力がないからと言われたらその医療機関は信用できないと私個人は思います。

まとめ

変形性膝関節症の方では太ももの前に筋力をつける運動、足におもりを付けて膝を伸ばすような運動は基本的にNGとなります。

絶対にやってはいけないとは言えませんが、優先順位としては低い運動になります。

NG運動

もしこのような運動のあとで膝が痛むようなことがあれば、確実に膝の機能を落とす運動になっていますので今すぐやめることが賢明です。

繰り返しますが、変形性膝関節症の方の多くは太ももの前側を強く使いすぎていることと、関節の機能に問題が起きているから痛みが強く残っていることが多いのでで筋力不足自体はほとんど問題ありません。

よく聞かれますがスクワットなどもかなり状態を考えてやらないと適切に行うのは難しいのでよくわからなければやらないほうが賢明でしょう。

まずは膝の周囲の関節や筋肉の状態をできる限り正常に働くようにしてあげることが大切です。

自分自身でどうにかしたいという気持ちが強い方が多いかと思いますが、まずは医学的知識をしっかりと持った理学療法士などの専門家に相談することが近道となります。

また、関節や筋肉の状態が整った状態になれば、適切に負荷をかけていくトレーニングを行う必要があります。

このトレーニングを無視してただ揉んだり、電気治療をしてもらっていても根本的な解決にならず痛みは繰り返し出てきてしまいます。

理学療法士としての経験上、実際には変形の強い場合でも痛みが殆ど無い方もおられますし、逆に変形は殆ど無いのに痛む方もおられます。

体重についても整形外科などではよく指摘される部分ですが、それよりも大切なことがたくさんありますので、膝の周囲を鍛える場合は専門家に相談しながらよく注意して行いましょう。

筋トレについては股関節のことも含めてこちららもご参考に

記事執筆者
木村柄珠

理学療法士 Physical Therapist
病院勤務時にのべ4万人以上のリハビリを経験。現在フィジカルプラス下関の代表として、痛みに対するコンディショニング、ボディケアを行う。また地元下関の中高生からプロアスリートまでコンディショニング、トレーニング指導、トリートメントも行ってます。山口県スポーツ協会認定トレーナーとして10年以上国スポに帯同。

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