ぎっくり腰でも「寝込んだまま」にしすぎないことが大切です
急に腰が動かせなくなるような強い腰痛が出たとき、「とにかく安静に」と考えて、何日もほとんど動かずに過ごしてしまう方は少なくありません。
腰痛の診療ガイドラインでは、3日以上ベッドでじっと安静にしていることはあまりすすめられておらず、痛みが許す範囲で少しずつ日常の動きを取り戻していくことが大切とされています。
まずは、「我慢できる範囲の痛みで行える動き」からでかまいません。完全に動かない状態を長く続けるのではなく、少しずつ普段通りの生活に近づけていくイメージを持ってみてください。
痛みが強いときは、医療機関で処方された痛み止めを一時的に利用することで、動くときの不安が軽くなる場合もあります。自己判断で薬を増やすのではなく、主治医の指示を守りながら活用していきましょう。
腰痛は慢性化しやすいと言われていますが、足のしびれや筋力低下をともなう場合は、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、神経症状が背景にあることも考えられます。このようなサインがあるときは、まず医療機関での診察が優先です。
また、画像診断で大きな異常が見つからなくても、ストレスや不安、痛みの記憶(脳の働き方の変化)などが重なり、痛みが長引いてしまうケースも知られています。
こうした慢性化を防ぐためにも、「痛みが少ない範囲で少しずつ動いていく」「必要なときは専門家に相談する」という二本立てで考えていくことが大切です。
腰だけに原因があるとは限りません ─ からだ全体の硬さや姿勢に目を向ける
フィジカルプラスにいらっしゃる急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)の方をみると、腰だけでなく、足指・足首・首まわりなどがとても硬くなっていることがよくあります。
これらの部分を、痛みの範囲を確認しながらやさしくほぐしていくと、腰の痛みそのものは残っていても、「前より動きやすい」「少し姿勢が起こしやすい」と感じられる方が多くおられます(感じ方には個人差があります)。
人のからだは、末端(手足など)の力みが強いと、全身の力がうまく抜けにくくなる特徴があります。腰だけを何とかしようとするのではなく、足首や股関節、首まわりなども一緒に整えていくことで、腰の負担が軽くなることは少なくありません。
ぎっくり腰の方は、「腰が悪い」というよりも、からだ全体のバランスが崩れているとイメージしていただくと、セルフケアの方向性が見えやすくなります。
動き方のクセでも痛みが長引いてしまいます
急性腰痛のあと、「怖くて動かせない」「どう動けばいいか分からない」という理由から、寝返りや立ち上がりの動きで余計に腰に力が入ってしまうことがあります。
ここでは、痛みをできるだけ増やさずに済むための、よくあるNG例と動き方の工夫をご紹介します。
\ ぎっくり腰で「どう動けばいいか分からない」と感じている方へ /
このページでは、急な腰痛が出たときの「安静にしすぎないための考え方」と「寝返り・立ち上がりのコツ」を中心に整理しました。
ぎっくり腰でほとんど動けない状態への対応や、フィジカルプラスでの具体的なサポート内容については、下記の専用ページにまとめています。
寝返りのときのポイント
右向きに寝返りを打つのに、左手を左側に残したまま体だけを右へひねるように動かしてしまう方が少なくありません。

このように、腕と体の向きがバラバラになった状態でひねると、背中から腰にかけて筋肉の緊張が強まり、痛みを感じやすくなります。
寝返りをする際は、
- まず「向きたい側」に両腕をそろえて移動させる
- 腕・頭・胸・骨盤がなるべく一緒に転がるように、ゆっくり横向きになる
といった点を意識すると、腰へのねじれが少なくなります。
起き上がるときは、一度うつ伏せぎみに肘と手で上半身を支えてから、横向きになって手で床やベッドを押しながら起きると、腰への負担を比較的抑えやすくなります。
立ち上がりのときのポイント
イスやテーブルを手前にぐっと引っ張るようにして立ち上がろうとすると、腰の痛む部分に力が集中しやすく、かえってつらさが増えてしまうことがあります。

立ち上がるときのコツは、
- 上半身を必要以上に丸めすぎない
- 手を膝または太ももに軽く添えて、頭を少し下げながら「お尻を先に持ち上げる」イメージで動く
というシンプルなポイントです。
痛みの程度にもよりますが、無理のない範囲で「お尻を少し上げる→戻す」を小さく繰り返すことで、腰まわりの筋肉が動きに慣れ、徐々に立ち上がりやすくなる方もいらっしゃいます。
フィジカルプラスでは、痛みが少し落ち着いてきたタイミングで、寝返り・起き上がり・立ち上がりの「動き方の練習」を丁寧に行っていきます。こうした動作の工夫を身につけておくことで、日常生活の不安を減らし、腰痛が長引くリスクを下げていくことを目指します。
ぎっくり腰だけでなく、寝違えなどでも、「痛みが怖くて動けない」状態が続くと筋肉のこわばりが強くなってしまうことがあります。3日以上安静にしても、うまく動かし方がつかめないと感じるときは、一度ご相談いただくのも一つの方法です。

