＼ 股関節の痛み・違和感でお困りの方へ ／
下関のフィジカルプラスでは、臼蓋形成不全・変形性股関節症・人工股関節術後など、股関節のお悩みに対して 姿勢と動作を整える専門的なサポートを行っています。
股関節のお悩みページを見る臼蓋形成不全・変形性股関節症と股関節の柔軟性の関係
特別に思い当たるきっかけがないのに、急に靴下が履きづらくなったり、しゃがみにくくなったりした経験はありませんか。
実はその背景に、生まれつきの股関節の形や特徴が関係している場合があります。
「今まで痛くなかったのに、急に股関節のせいと言われてもピンとこない…」と感じる方も多いと思いますが、
体はさまざまな関節や筋肉が連動して動いているため、股関節に小さな“特徴”があるだけでも、
それをかばうような動きが積み重なり、知らないうちに周囲の負担が増えてしまうことがあります。
その結果として、股関節まわりの柔軟性（関節可動域）が少しずつ低下していくことも少なくありません。
変形性股関節症と診断されることもあります
生まれつき臼蓋形成不全がある方の中には、開脚がしづらかったり、目で見てわかるほど内股になっている方もいます。
ご本人としては「昔からそういうもの」と感じていても、
少しずつ股関節の動きが制限され、痛みや違和感が出てくると、
無意識のうちに股関節をかばう動きが増えていきます。
痛みが続くようになってから医療機関を受診し、そこで初めて
「臼蓋形成不全」「変形性股関節症」と伝えられるケースも多く見られます。
いつまでも自分の足で歩いていくためにも、早めに股関節の柔軟性に目を向けておくことが大切です。
例えば、次のような動き方のクセが知らないうちに積み重なっていることがあります。
- 歩くときに股関節を大きく動かせず、歩幅が小さいまま体をねじるように前へ進んでいる
- 椅子から立ち上がるとき、股関節を使う代わりにふくらはぎや太もも前の筋肉だけで踏ん張っている
- 股関節をあまり動かさないようにして、おしりを後ろに突き出すような立ち方・かがみ方が習慣になっている
こうした状態が続くと、股関節のまわりの筋肉がさらに硬くなり、
柔軟性の低下 → 動かしにくさ → 痛みや不安感、という流れにつながりやすくなります。
「最近、靴下が履きにくい」「しゃがみこむ動作がつらい」と感じ始めたら、
股関節まわりの硬さが進んでいるサインかもしれません。
股関節が硬くなると、どんな影響が出やすい？
変形性股関節症や臼蓋形成不全がある場合、股関節の硬さは
単に「動かしにくい」だけでなく、さまざまな影響を及ぼすことがあります。
転倒リスクの高まり
股関節が十分に動かないと、バランスを崩したときに体勢を立て直しにくくなります。
痛みを抱えながら歩いている方ではもともと不安定になりやすく、
ふとした段差や方向転換が転倒につながることもあるため注意が必要です。
痛みや不調の広がり
股関節が硬い状態では、歩行時の衝撃をうまく受け止めにくくなり、
負担が膝や腰、おしり、すね周囲などに広がりやすくなります。
「最初は足の付け根だけだったのに、気づいたらあちこち気になる…」という状態も珍しくありません。
日常生活動作の制限
靴下を履く・しゃがむ・階段を上り下りするなどの動作は、
股関節の柔軟性が大きく関わっています。
可動域が狭くなると、「できなくはないけれど毎回つらい」という動作が少しずつ増えていき、
日常の負担感が大きくなってしまうことがあります。
変形性股関節症の方が柔軟性を高めるときのポイント
変形性股関節症や臼蓋形成不全がある場合、
「無理のない範囲で」「安全な方向に」動かすことがとても大切です。
頑張って一気に伸ばそうとするのではなく、小さな動きを丁寧に積み重ねるイメージで続けていきましょう。
アキレス腱のストレッチ
股関節がうまく使えない分、歩くときにふくらはぎへ負担が集中しがちです。
壁や椅子に手を置き、片足を後ろに引きます。
後ろ足のかかとを床につけたまま、膝を伸ばして体をゆっくり前に倒し、アキレス腱の伸びを感じましょう。
股関節に違和感が出ない範囲で、呼吸を止めずに行うのがポイントです。
椅子で行う股関節開き
椅子に座り、片足をゆっくり持ち上げて太ももを組むように股関節を開きます。
足が持ち上がりにくい場合は、両手で支えながら行って構いません。
その姿勢で30秒ほど静止し、余裕があれば背筋を伸ばしたまま上体を軽く前へ倒してみましょう。
股関節に鋭い痛みが出る場合は、無理をせず、開く角度を小さくして行ってください。
椅子を使った股関節エクササイズ
椅子に座り、片足を少し横に開きます。足の小指側を床につけるようにしながら、
かかとをゆっくり上下させて、貧乏ゆすりのような小さな動きを繰り返します。
股関節に強い痛みが出ない範囲で、リズムよく続けてみましょう。
これらのストレッチやエクササイズは、「痛みが出る手前」で止めることがとても大切です。
違和感が強い日や疲れが溜まっている日は、回数を減らしたり、別の日に回したりしながら、
ご自身のペースで続けてみてください。
また、よくすすめられる水中ウォーキングや水中体操は、股関節への負担がやわらぐという意味では有効な場面も多いですが、
目的が「柔軟性」なのか「体力維持・減量」なのかによって適した内容が変わります。
何のために行うのかを意識しながら取り入れていきましょう。
違和感を感じたら、まずは「今の状態」を知ることから
「急に靴下が履きにくくなった」「股関節まわりがいつもより硬い気がする」など、
小さな違和感を覚えた段階で、股関節の柔軟性を意識しておくことはとても大切です。
一方で、「このくらいならそのうち良くなるだろう」と自己判断で様子を見続けてしまうと、
ある日を境に日常生活の動作が一気に負担になってしまうこともあります。
まずは一度、整形外科などの医療機関で、現在の関節の状態や変形の程度に問題がないかを確認してもらうことをおすすめします。
そのうえで、日常生活の中で続けられるストレッチやエクササイズに取り組み、
股関節の柔軟性や使い方を少しずつ整えていくことが、先々の負担を軽くする第一歩になります。
変形性股関節症や臼蓋形成不全と診断されている方が、
本格的に運動療法に取り組む際には、必ず担当の医師や理学療法士に相談し、
ご自身の股関節の状態に合った方法を選ぶようにしましょう。
「できれば手術は避けたい」と感じている方へ
初期〜中期の変形性股関節症では、医療機関でも多くの場合、
まずは保存療法を中心とした治療方針が検討されます。
適切なリハビリや日常動作の見直しによって、手術のタイミングを慎重に考え直すきっかけになるケースもあります。
実際にフィジカルプラスには、
「人工関節を勧められているけれど、できるだけ自分の股関節で歩き続けたい」
「病院でのリハビリは終わったが、まだ自分の体の可能性を知りたい」
といった思いで通われている方もいらっしゃいます。
通所を続ける中で、痛みの感じ方・可動域・歩き方の安定感などに変化を実感される方もいますが、
そのスピードや程度には個人差があります。
フィジカルプラスでは、病院でのリハビリ期間が終了したあとも、
「できるだけ再発しにくい体の使い方」を一緒に育てていく場としてご利用いただけるよう、フォロー体制を整えています。
