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外反母趾に対する変化の出る運動療法について理学療法士が考えてみた

外反母趾

外反母趾がいはんぼしの特徴的な症状は足の母指(親指・母趾)の先が人差し指(第2趾)のほうに「くの字」に曲がり、つけ根の関節のところに痛みが出ます。

場合によっては足の母指が第2趾の下に入り込んだりして他の指にも悪影響を及ぼすこともあります。

また、関節が飛び出た部分に靴などの履物が常に接触することで炎症を起こすと履物を履いていない状態でも痛みが出てくることがあります。

多くの場合、足の親指の付け根に痛みや違和感を伴い、酷くなると手術療法の適応になってしまいます。

外反母趾の原因はこのページでは明言を避けますので詳しくは以下のリンクを御覧ください。

日本整形外科学会のホームページを御覧ください

以上のように様々な原因があると考えられていますが、足部の機能低下や異常があるということを原則に考えると適切な運動療法によって外反母趾の自己管理による症状の緩和や場合によっては改善することは可能だと考えています。

外反母趾の運動療法

一般的にはインソールや装具などである程度矯正し、タオルギャザーなどよくある足部のトレーニングやストレッチの指導をされることが多いと思いますが理学療法士としての経験から言うとうまく行った事例は少ないと感じています。もう少し変化の出やすい方法を紹介していきます。

足指をしっかりとほぐす

画像のように手を使って足の指をしっかりと曲げたり伸ばしたりします。

この際親指だけでなく他の指も固くなっていることが多いためすべての指について曲げ伸ばしを行いましょう。

画像は一度にすべての指で行っていますが、丁寧にやるならば指を一本ずつ行っても良いでしょう。

母趾(親指)についている筋肉をしっかりとほぐす

画像のように指の付け根辺りから真ん中より少しかかとよりの位置まで横から手で繰り返しほぐします。母趾外転筋ぼしがいてんきんという筋肉をほぐします。外反母趾の方では押さえるとかなり痛むかもしれませんので無理せず我慢できる範囲でほぐしましょう。

足の外側をほぐす

外反母趾の方に限らず足の土踏まずが落ちていて、単純に筋力がないと考えがちです。

実際に確認してみると足の外側(小指側)が非常に固く足裏全体が使えないことでより土踏まずが低下することがあります。これは手を使うのは難しいのでゴルフボールなどを使って小指側をゴリゴリとほぐしましょう。

足裏が硬い方だと強く行うとかなり痛みが出ますが少し我慢して行ってみてください。やったあとに痛むことはほとんど無いと思います。

足のアーチ強化

タオルギャザーに代表される運動が多いのですが、足のアーチについては体重がかかっているときのほうが重要ですのでこれはたった状態で行います。

画像のようにまず足趾、特に母趾をしっかりと上に向けて反らせます。

このようにすることで土踏まずがしっかりと上がります。これはウィンドラスの巻き上げ機構と言われているものですが、足部の内側縦アーチが挙上し土踏まずがしっかりと出来ます。

はじめのうちは難しいかもしれませんが、土踏まずをこの状態を保ったままゆっくりと足の指を床につけていきます。20回程度繰り返すと良いでしょう。

運動連鎖を利用した足部のコントロールエクササイズ

外反母趾の方では膝が内に向きやすくつま先が外に向いた状態になる方が多くおられます。

足指だけでなく股関節周囲をうまく使うことで土踏まずの低下を防ぎ、外反母趾のある指にかかる負担を減らすことが可能になります。

下部の画像のように足の指全体を曲げて足の小指側をついて立ちます。このように立つと運動連鎖と言われる体の決まり事によってほとんどの方では膝のお皿が外を向くようになります。普段とは反対の向きになるイメージですね。

はじめのうちは足の指を曲げたまま立つことがままならない方もいると思いますので難しければこのままキープするだけでも良いです。

この姿勢が保てる方であれば、この状態から膝を軽く曲げたり伸ばしたりします。スクワットのように曲げる必要はなく、ほんの少し曲げるだけで大丈夫です。ポイントはは膝を伸ばすときにしっかりと伸ばすことです。

これも20回程度を目安に行ってみてください。難しければ片足ずつでも構いません。

これまで挙げたエクササイズをすべて行ったあとに足踏みをしたり、歩いたりしてみてください。

エクササイズ前後で足裏の感覚が随分と変わるはずです。

毎日少しずつ行うことで痛みが少なくなったり、歩きやすくなったりしてくると思いますのでまずは2週間やってみましょう。

2週間後に明らかに変わっていることが実感できればそのまま継続して言ってください。

外反母趾の痛みに対する対処法あれこれ

アイシング

歩いたあとに痛みが強いときや腫れが気になるときに行います。

痛みのある部分に氷が直接肌に触れないようにタオルなどを巻いてアイシングを行います。

最大で15分間程度行いますが、途中時々肌の状態を確認し手で触れてみて感覚がない時はしばらくはずします。凍傷のリスクがあるため必要以上に長時間行わないように注意が必要です。

適切な靴の選ぶ

母趾が当たって痛む時は幅広でつま先がゆったりとした靴を選ぶようにすると良いのですが、可能であれば紐靴を選び足の甲の部分はしっかりと紐を締めるようにします。こうすることで足のアライメントがいくらか整います。

またインソールなどの中敷きを利用するなどもあります。通常のアーチサポートタイプでも良いですが、立方骨をしっかりとサポートするような中敷きを利用すると荷重が足裏全体にバランスよく掛かるので良いと思います。

参考にこちらのホームページを紹介しておきます。

BMZインソール(立方骨をサポートするタイプの中敷きです)

体重管理

過度な体重増加や肥満は外反母趾の症状を悪化させることがあります。

健康的な体重を維持し、今現在肥満のある方は少しだけ体重をコントロールすることをおすすめします。

医療機関で痛みを管理

じっとしていてもずっと痛む場合や夜間寝ているときにも痛みがあるような時は医療機関で薬物療法を受けましょう。 医師の判断で非ステロイド抗炎症薬などを処方してもらえるかもしれません。

まとめ

外反母趾の運動療法は、痛みの軽減や症状の進行の防止に役立つ方法であると考えていますが、なかなか結果が出にくいため、非常にたくさんの方が悩みます。

ですが、体全体を考えながら丁寧に運動療法に取り組むことで徐々に変化をもたらすことは可能です。

症状の重症度や原因に応じては効果が出ないことも当然ありますので、外反母趾の症状が重い場合(変形が強い)や継続的な運動療法が効果的でない場合は、専門家の診療を受け手術療法を検討することも大切です。

皆様に最適な治療プランが見つかることを祈ります。

アクセス・営業時間

下関市フィジカルプラス

住所:山口県下関市長府土居の内町2-9

サンデン城下町長府バス停から 徒歩3分、駐車場も完備しています。

営業時間: 月〜土 9:30〜19:00 / 日・祝祭日は不定休

記事執筆者
木村柄珠

理学療法士 Physical Therapist
病院勤務時にのべ4万人以上のリハビリを経験。現在フィジカルプラス下関の代表として、痛みに対するコンディショニング、ボディケアを行う。また地元下関の中高生からプロアスリートまでコンディショニング、トレーニング指導、トリートメントも行ってます。山口県スポーツ協会認定トレーナーとして10年以上国スポに帯同。

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