高齢者でも股関節伸展を意識することでで若々しい歩きを取り戻すことは可能です!
「最近、歩くのがゆっくりになってきた」「バランスが悪くてコケそう」と感じている高齢者の方は多いのではないでしょうか?
歳だから仕方ないと諦めてしまいがちですが、実際には「正しい歩き方」を知り、実践することで、若々しい歩行を取り戻せる可能性があります。
この記事では、高齢者の歩行能力改善に役立つ情報として、
- 高齢者の歩行に見られる共通の特徴
- 歩幅を伸ばすための股関節伸展の重要性
- 股関節伸展を促す具体的なエクササイズ
- 正しい姿勢と動き、運動学習の重要性
について解説していきます。
高齢者の歩行でおきる共通の特徴を知ろう!
歩行動作のサイクルについて
歩行動作は、大きく「立脚期」と「遊脚期」に分けられます。
- 立脚期: 片足が地面について、体重を支えている期間
- 遊脚期: 片足が地面から離れ、前に振り出されている期間
立脚期の中で、立脚後期は、かかとが浮き上がり、つま先が離れる直前の段階を指します。
立脚後期の役割
- 推進力の発生: 地面をしっかりと蹴り出すことで、体を前に進める推進力を生み出します。
- バランスの維持: 体重移動をスムーズに行い、バランスを維持します。
立脚後期の歩幅の短縮
高齢者の歩行における特徴として、多くの人が歩行速度の低下やバランスの不安定さを経験することが挙げられます。原因としてよく挙げられるのが筋力低下ですが、実は「立脚後期の歩幅の短縮」が大きく影響しています。
わかりやすく例えると
立脚後期は、地面を蹴って前に進むための「最後のひと押し」の段階です。高齢になると、この「ひと押し」が弱くなり、ちょこちょことした歩き方になってしまうイメージです。
実際に若い人と高齢者の歩幅を比較すると、体よりも前の歩幅には大きな差はありませんが、体よりも後ろの歩幅には大きな差が見られます。
見た目でいうと、高齢者は「体の前だけに足を振り出して歩き、体よりも後ろに足を蹴り出さずに歩いてしまうことで、全体的な歩幅が狭くなります。これがいわゆる「高齢者の歩き方」であり、歩行能力が落ちてしまう原因の一つになります。
後体よりも後ろ側の歩幅を伸ばすためのポイント!
後ろの歩幅を伸ばすためには、「股関節の伸展」が重要です。股関節の伸展が不足すると、歩行時に体が伸びず、前への推進力が失われてしまいます。
いつまでも若々しく歩くためには、股関節の伸展可動域を広げ、体が曲がらないように姿勢を維持することが不可欠になってきます。
歩行に必要な股関節伸展を手に入れるためのセルフエクササイズ
股関節伸展を促すエクササイズとして、以下の方法があります。

画像のように椅子やテーブル、壁などを使用して、片足を後ろに引きます。
膝を曲げないようにして後ろ側のつま先を上げたり下げたりを繰り返します。
余裕があれば体を少し後ろ側に反らせ身体全体を伸ばすようにします。
左右交互に5秒程度を5セット繰り返します。
このエクササイズは、物を持って行うためバランスが比較的悪い方でも簡単に実践できますが、はじめのうちは無理せず痛みが出たらすぐに中止してください。特に膝はしっかりと伸びない方が多いので、膝が曲がらないように注意しながら行いましょう!
このエクササイズを続けることで股関節の伸展可動域が広がり立脚後期が長くなることで若々しい歩行に近づいていきます。
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正しい姿勢と動き、運動学習の重要性
これまで挙げたエクササイズを継続していくと、特に意識しなくても普段無意識に行っている姿勢や歩き方が変わってきますが、実際には運動学習が重要になります。
高齢者の方がしっかりと歩くためにはエクササイズ後に良い状態で歩くことが必要になります。
運動学習とはスポーツのように正しいフォームを身につけるための練習と考えるとわかりやすいと思います。早く走るためには早く走る練習をしなければならないのと同義になるかと思います。
つまり良い歩行状態を定着させるためにはやはり歩く練習をしなければならないということになります。
まとめ
高齢者の歩行改善には、股関節伸展を促すエクササイズが重要になります。
今回紹介したエクササイズで、正しい歩行姿勢や歩行動作をしっかりと維持・改善していつまでも若々しく歩いていられるように心がけましょう。
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