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人工膝関節術後「膝が曲がらない」と悩む方へ。知っておくべき可動域の限界と、膝を守る身体の使い方

この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)
人工関節手術後(股関節・膝)
この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)

「手術は成功したし、リハビリも期限まで通った。でも、家事が辛いし、長く歩くなんてできない……。」 下関のフィジカルプラスには、そのような「病院のリハビリを卒業したけれど、日常生活に不自由を感じている」という方が多く相談に来られます。

人工膝関節置換術(TKA)を受けた後の生活において、膝の可動域や動作にどのような制限が出てくるのかを正しく知っておくということは、人工関節を長持ちさせる(摩耗や緩みの防止)ために非常に重要です。 一般的に、人工膝関節の屈曲可動域は約90度〜120度を目安として設計されています 。この記事では、この可動域の範囲内で、膝への負担を抑えながら日常生活を送るための「身体の使い方」について、理学療法士の視点から解説します。


1. 人工膝関節の構造的特性と可動域の目安について

実際に曲げられる角度を知っておきましょう

人工膝関節置換術(TKA)で使用される多くのインプラントは、構造上、しゃがむ、正座など膝を深く曲げることを前提とした設計にはなっていません。一般的に日常生活に困ることが少なく、実際に獲得可能な屈曲角度の目安は90度から120度前後とされています 。

この制限は、関節の安定性を保ち、インプラントの摩耗を抑えるための構造的な仕様によるものです。(術式によっても違いがあるので主治医の相談は必ず必要です)

実際には個人差があります。

実際に術後に獲得できる膝の可動域には大きな個人差があります。これは手術の方法だけでなく、術前の関節の硬さ(拘縮の程度)や、周囲の軟部組織の状態に強く依存するためです。そのため、医療機関においてもすべての方が一律の角度獲得を目標とするのではなく、個々の解剖学的な条件に合わせた機能維持が現実的な指標となります。


2. 人工関節を保護するための日常生活における注意点

深屈曲(深い曲げ)は避ける

膝を深く曲げる動作、特に過度な荷重がかかった状態での深屈曲は、インプラントに対して特定の部位に高負荷をかける可能性があります。これはパーツの早期摩耗や、「緩み」を招く要因となる可能性が高いため、日常生活では極端に深い膝の曲げ動作を避けることが推奨されます。

回旋動作にも注意を

人工膝関節は、本来の膝関節が持つ複雑な回旋(ひねり)を完全に再現するようなものではありません。例えば、後ろから呼びかけられ、振り向くような足を地面に固定したまま急激に身体を捻るような動作は、関節面にストレスを与え、早期に安定性を損なう恐れがあります。

方向転換のコツとしては、膝だけで回るのではなく、足をしっかりと踏み変えるようにして身体の向きを変える工夫が必要です。


3. 膝以外の関節(股関節・足関節)の役割と動作を補う事が重要

運動連鎖(体を動かすときの決まり事)を知っておきましょう

膝関節の可動域に制限がある場合、それを補うのが股関節足関節(足首)の役割です。

例えば、椅子からの立ち上がり動作において膝の曲がりが不十分であっても、股関節を深く曲げることができ、上半身をしっかりと前に傾けることができれば、膝への負担を最小限に抑えながらスムーズな立ち上がり動作を助けることができます。

このように、隣接する関節との連動(運動連鎖)を最適化することが、膝の保護には不可欠です。

生活・住環境などの日常生活も重要です。

身体機能を補うことだけでなく、実際には生活・住環境の調整も関節保護のためには必要になります。

  • 床生活から椅子生活への移行: 床からの立ち上がりや床に座るには膝の曲がる角度が必要なことが多く、膝への負荷が最大化するため、生活様式を椅子・ベッド中心へ切り替えることが必要になります。
  • 段差の解消と手すりの活用: 元々持っている歩行能力や住環境によりますが、階段昇降や玄関の段差において、手すりを利用する、片足ずつ足を揃えながら一歩ずつ上がる(降りる)などして力を分散させることで、膝関節へのメカニカルストレスを軽減させることも検討しましょう。

4. フィジカルプラスにおける術後の動作確認の考え方

下関市で膝痛に対する施術やトレーニングをお探しの方へ。病院の診断や注射、リハビリで変化が見られないなら、歩き方のクセに原因があるかもしれません。フィジカルプラス下関では理学療法士が動作分析に基づき、関節の負担を減らす方法を提案します。

個別の状態把握

フィジカルプラスでは、自費による利点を活かし、お客様一人ひとりの術後経過や身体特性に合わせた詳細な動作分析を行います 。 「膝がどこまで曲がるか」という数値上の指標も大切ですが、「実際の生活環境で、どの動作が膝に負担をかけているか」「スムーズに動くためにはどの様に体を使えばよいか?」などを分析し、現在の可動域を最大限に活かすための効率的な身体の使い方を提示します。

人工関節の維持・管理

手術で得られた機能を長期にわたって維持するためには、まずは医療機関で指導を受けた内容をしっかりと熟知しておくことです。また、実際には術後数ヶ月でリハビリを終えるパターンが非常に多いのですが、生活環境や年令によってお体の状態は皆様異なります。

術後すぐは良いが徐々に調子が悪い、歩き方が戻らない、以前は歩くことができていた距離を歩けないなどの問題が出てくることも多くあります。それらは実際には医療機関でのリハビリが終了した150日以降に起こることが多い印象です。

今挙げたようなことを可能な限り回避するためには運動療法の継続がポイントになります。

フィジカルプラス下関では「人工膝関節に過度な負担をかけないための動作指導を通じ、関節の良好な状態を維持するための管理体制をサポートいたします」。

人工股関節・人工骨頭置換術後の方へ

手術後の 「歩きにくさ・違和感」 が続いていませんか?

人工関節の術後に多い 歩きにくさ・脚長差の感覚・疲れやすさ などについて、
理学療法士が姿勢と動きの視点からサポート方法をまとめたページです。

人工関節の術後ページ(股関節・人工骨頭)はこちら

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