腱板断裂は気づきにくいのでまずは医療機関へ行きましょう。
腱板断裂は外傷をきっかけに発症することが多いと言われています。
年齢とともに腱板自体に変性が起こり肩を軽くぶつけた、ゴルフのスイングをしたなどちょっとした刺激で断裂を起こすこともあります。
中には思い当たるフシがないのに肩の痛みが続いて医療機関を受診してみたら断裂していたといったこともあります。
腱板断裂とは?
まず、腱板とは、肩の関節周囲に巻きついている4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋を含む、一般的にローテーターカフと呼ばれている筋群)の腱の部分を指します。
これらの腱は、主に肩関節の回旋運動に重要な役割を果たしていますが、日常生活でこれらの筋肉の存在を意識することは少ないと思います。
したがって、腱板の断裂の有無を判断するには、エコー検査、MRI検査、肩の機能検査などを医療機関で受ける必要があります。
腱板が部分的に断裂している場合、多くの人は肩を動かすことは可能ですが、手を上に挙げる際に痛みを感じることや、力がうまく入らないことがあります。
痛みの特徴として、特に棘上筋などでは挙上の途中で痛みが発生し、続けて挙げていくと痛みが軽減することが挙げられます。中には挙げる際に引っかかりを感じる方もいます。
一方、五十肩などで起こる痛みは可動域の最後で痛みが強くなることが一般的ですので、腱板断裂の場合と痛みの出るタイミングが全然違うと頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
もし肩に痛みがあって、動かす途中が痛むというような腱板の断裂を疑う兆候があれば、医療機関を受診することをおすすめします。
医療機関を受診するときはどうするか?
現状がはっきりと把握できないまま、マッサージを受けた結果、痛みが激しくなり、眠れない状況に陥るケースが多く見られます。
そのため、まずは医療機関への受診を検討してください。
ただし、実際に医療機関を受診するにしても、MRI検査などは予約が必要なことが多いのが現実です。
さらに、総合病院などに受診する際には紹介状が必要なこともあり、時間に余裕がない場合は、最初からMRI検査を行える整形外科クリニックなどを受診することをおすすめします。
肩の痛みがあると、ついついマッサージや整骨院を受診したくなりますが、理学療法士としての立場から言えば、原因が特定できない場合はこれらをおすすめしません。
フィジカルプラスにおいても肩の痛みがある方が来られますが、腱板断裂が疑われる場合、無理せず医療機関への受診をお勧めしています。腱板断裂があるかもしれないという前提で施術は行います。
医療機関での治療は、まずは疼痛(痛み)のコントロールから始まります。
断裂した腱板周囲に炎症が生じ、痛みが発生しているため、薬や注射などを使用して炎症と痛みを抑えるのが基本です。
腱板の断裂自体は通常再生しないため、日常生活に支障をきたす場合や断裂の程度に応じて手術が必要となることもあります。とにもかくにも詳細な情報は医療機関で正確な診断を受けることで得られます。
酷い夜間痛夜間痛に気をつけましょう
腱板断裂の症状は主に肩を動かす際に生じる痛みと夜間の肩の痛みが一般的です。
腱板断裂が発生していても、他の筋肉が補助することにより、肩自体はある程度動かせることが多いです。
しかし、痛みを我慢しながら強制的に肩を動かし続けると、代償運動によって他の部位にも痛みが広がる可能性があるため、注意が必要です。
場合によっては、無理に動かそうとすることで、痛みによって腕をまったく動かせなくなることもあります。
腱板断裂が起こっている場合は痛みがある程度コントロールされている場合でも、正しい肩の動きを保てないことが一般的です。そのため、間違った方の動きをが運動学習してしまいがちです。
一度誤学習してしまうと元のように動かせるまでに非常に時間を必要としますので、できる限り早く運動療法を併用することをおすすめします。
腱板断裂の運動療法について
腱板断裂がある場合や疑われる場合、運動のやり方によっては、かえって断裂を拡大させたり、症状を悪化させたりしてしまうことがあります。安易な方法ではなく必ず専門家の指導を受けるようにしましょう。
運動療法を行う際は肩を動かしていないのに痛んだり、肩に熱感がある場合もあるため薬物療法と組み合わせるのが基本になります。
医療機関でのリハビリと合わせて行うと変化を感じやすい運動を紹介していきます。
痛みが強い場合はまず腱板への刺激をできる限り減らすためまずは肩甲骨の動きをしっかりと出すように行います。次に肩甲骨と上腕骨の間の関節を動かします。(回旋の動きになります)
難しいことではなく基本的な動きで大丈夫ですので以下の動画と画像を参考にしてみてください。
①脇を締めて肩甲骨を上下に上げ下げします。この時できる限り手の力を抜いて挙げられる範囲で繰り返します。痛みが強く出る時は無理をしないようにします。
②脇を締めて肩甲骨を前後に動かす。ゆっくり行い痛みが出ない範囲で繰り返し動かします。大きく動けば良いですがはじめのうちは小さな動きで大丈夫です。
③肩甲骨と上腕骨の間の関節に対して回旋の動きを出していきます。指さしている位置がしっかりと動くように気をつけますが、下の画像のように肘をしっかりと伸ばした状態で前方へ30度、横方向へ30度開いた状態で行います。これは最初痛みでうまく動かせないことが多いですが、痛みなく動かせる範囲で構いませんので徐々に大きく動かすように心がけてみてください。
以上のような簡単な運動ではありますが、医療機関でのリハビリと併用することを検討してみてください。
場合によっては医療機関に理学療法士がいないこともありますので、そのような際に自分で動かす際の参考になればと思い危険度の少ない安全な運動のみの紹介をさせていただきました。
整形外科クリニック等では意外と痛みに注意しながら少しずつ動かしてくださいなどと言われることがありますのでどうして良いかよくわからない場合なども含めて下関近郊でしたらフィジカルプラスでも運動指導や施術をすることは可能です。
痛みはともかくとして放置しておくと肩の可動性が知らず知らずのうちに落ちることがありますので少しでも早く対処していくことをおすすめします。
コンディショニングコースにて承ります。
アクセス・営業時間
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