毎日の食事の準備や後片付け。台所に立って洗い物をしていると、「片方の腰だけが重だるくなる」「お尻の奥のほうがジンジン痛んでくる」といった経験はありませんか?
「ずっと立っているから腰痛になったのかな」「年齢的に腰が弱ってきたのかも」と、多くの方が湿布を貼ったり、腰を揉んだりして対処しようとします。しかし、なかなかスッキリとしない場合、実はその違和感の出所は「腰」にはないかもしれません。
フィジカルプラス下関でも、「台所仕事中の片側の痛み」でご相談に来られる方は非常に多いのですが、動作分析を行ってみると、負担がかかっている本当の理由は別の場所にあることがほとんどです。
無意識にやっていませんか?右足(片足)に体重を乗せる「休め姿勢」
まずは台所で調理や洗い物をしている時のご自身の姿勢を、少し思い返してみてください。 両足に均等に体重を乗せて真っ直ぐ立っている方は意外と少なく、無意識のうちにどちらか片方の足(例えば右足)にだけ体重をグッと乗せ、もう片方の足は軽く添えるだけの「休め姿勢」をとっていませんか?
実はこの「片足重心」を続けている普段のクセこそが、特定の部分に負担をかける大きな引き金になることがあります。
また、ご自身の身長に対して台所の高さが合っていない場合、無意識に前かがみになったり、背伸びした状態になりやすくなります。この不安定な骨盤の状態で片足に体重をかけ続けると、体はバランスを取るために普段はあまり使わないような特定の筋肉ばかりを過剰に働かせることになります。
腰やお尻の違和感、本当の理由は「股関節の機能不全」
この休めのような姿勢を長く続けていると、体重を支えている側の「股関節」には、常に骨盤を押し出すような不自然で局所的な負荷がかかり、周囲の筋肉についても負荷をかけ続けます。
股関節は、上半身と下半身を繋ぐ最も重要な関節です。股関節周りの筋肉が硬くなったり、本来の正しい軌道で動けなくなる(機能不全)と、その負担を逃がすためにすぐ上にある「腰」や「骨盤周りの筋肉(お尻)」が代わりに頑張らざるを得なくなります。(代償運動)
つまり、「台所に立つと腰が痛い」というのは、腰だけが悪くなっているのではなく、「限界を迎えた股関節が、腰やお尻にSOSを出している状態」とも言えると思います。
実は多い!こんな「日常の出来事」から違和感が急に出るケース
台所での休め姿勢などによって、すでに股関節まわりの筋肉が限界を迎えている状態(SOSの一歩手前)の時、日常のちょっとした出来事が引き金となって急激な痛みとして表面化することがあります。
フィジカルプラス下関にご相談に来られた方の中でも、次のようなエピソードがあります。
① 換気扇の掃除をした後から急に痛くなった 「年末でもないのに、換気扇の掃除を頑張ったら腰からお尻が痛くなった」というケース。実はこれ、「つま先立ち」が大きく影響しています。 高いところに手を伸ばす際、つま先立ちになりながら無理に腰を反らせる姿勢をとりますよね。この時、足首から太もも、股関節周囲にかけての筋肉が強く緊張し、特にその土台となる股関節には知らず知らずのうちに強烈な負荷がかかります。「腕や肩」ではなく「股関節」に過度なストレスが蓄積し、掃除の後に違和感として現れることがあります。
② 滑って尻餅をついたら、ぶつけて「いない方」が痛くなった 雨の日やお風呂場などでツルッと滑って尻餅をついた後、「打った方のお尻ではなく、なぜか反対側の腰や股関節が痛い」というご相談もよく受けます。
これは、滑った瞬間に本能的に「ぶつけていない方の足で強烈に踏ん張った(体重を逃した)」「ぶつけて痛む方の足をかばって歩いてしまった」ためです。その一瞬の急激な衝撃や不自然な負荷が股関節に強くかかる状態となり、結果として打っていない側に強い違和感が出るという現象が起こってしまうことがあります。
このように、ご自身では「あれが原因だ」と思っていない動作の中に、股関節の機能不全を引き起こす真の理由(動作の代償)が隠れていることが非常に多いので皆様ご注意ください。
痛みをかばう動作は、夜の睡眠時にも影響します
「台所に立っている時だけ痛いから」「掃除の時だけだから」と、特定の姿勢や条件の時に起こっている股関節の機能不全を放置していると、知らず知らずのうちに立ち方や歩き方がアンバランスになり、最終的には夜寝ている時にも違和感や痛みが出始めることがあります。
もし、仰向けで寝るのが辛かったり、寝返りを打つ時に股関節や腰が気になったりする方は、すでに股関節周りの筋肉が硬くなっているサインかもしれません。寝る時の負担を減らす方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【理学療法士が解説】股関節に負担をかけない寝方と、夜間の痛みを和らげるクッションの使い方


股関節への負担を減らすためには、まず「動作のクセ」を知ること
湿布や腰のマッサージ、一時的な休息で楽になっても、無意識の「偏った休め姿勢」や「足の使い方のクセ」を繰り返していては、またすぐに同じ部分に負担がかかってしまうことになります。
違和感を繰り返さないためには、まずご自身の「どの動作のクセが、股関節にストレスをかけているのか」を客観的に見つける(動作分析)ことが第一歩です。
フィジカルプラス下関では、医療機関で14年間リハビリに従事してきた理学療法士が、負担の原因となっている動作のクセをフラットな目線で分析し、お一人おひとりの身体に合った無理のないカラダの使い方や整え方をご提案しています。
長引く痛みや違和感でお困りの方は、どうぞお早めにご相談ください。

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