臼蓋形成不全のある方は痛みがなくてもライフスタイルの変化に注意

この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)
人工股関節全置換術
この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)

臼蓋形成不全という診断で手術は突然にやってくる

股関節に痛みを感じて医療機関を受診してみたら、臼蓋形成不全という病名を指摘され、さらにはいつか変形性股関節症になると言われ、未来には手術が待っていると宣告を受けることがあります。

ここ下関でも冗談でもなんでもなくこのように言われて凹んでご来店される方がおられます。

受診される先生によって表現は様々かと思いますが・・・いずれはというニュアンスで言われる方が多い印象です。(たまにすごく酷い言い方をされる事もあるようです。)

個人的にはちょっとした違和感をほったらかさなければ怖がりすぎる必要はないと思います。

フィジカルプラスへ臼蓋形成不全の診断後お越しの方のほとんどは、ある程度年齢を重ねて急に臼蓋形成不全を指摘されています。(30代から60代まで年齢層は広いです)

時々痛むか違和感から始まる股関節の痛み

フィジカルプラスに臼蓋形成不全を指摘されて、ご来店する殆どの方は、はじめのうちは股関節周りの違和感であったり、立ち仕事や長時間の歩行後に痛みが出るという状態の方が多く、時間が経つと違和感が消えてしまうため、ついついそのままほったらかしてきたという方が多いです。

いつの間にか足が開きにくかったり、靴下が履きづらくなったりして日常生活において痛みが取れない状態になって医療機関を受診されています。

ここを見ていただいている方にまず気をつけていただきたいのは、上記のような股関節の違和感やすぐに取れる痛みを無視することなく、放おって置かないようにしてほしいことです。

このような身体の異常を無視していると、いつの間にか関節の変形が進み即手術となる可能性もあるため必ず注意しましょう。

日本人女性に多いと確認されている臼蓋形成不全は世界の多くの国では影響がないなどと言われていたりもしますが、洋式の生活環境と和式の生活環境とではかなり違いがあるため単純には比べられないと思います。

しかしながら考えようによっては生活様式が変われば影響がないと言いかえることもできると思います。

臼蓋形成不全と生活習慣

個人的には臼蓋形成不全があると変形性股関節症(ここでは股間節自体が変形するという意味で使ってます)になり、最後は手術となるとは言えないのではないか?という風に思っています。

ただし、股関節の変形自体は臼蓋形成不全があろうとなかろうと、どんな方でも起こりうるため、最終的に生活に支障が出たり、後々手術が必要になるという状態にならなければ良しという考え方を私自身はしています。

(日本では臼蓋形成不全があると変形性股関節症と診断されています・・・)

実際に痛みや日常生活において痛みがなければ殆どの方は気にしないとおもいます。

臼蓋形成不全そのものはさておき、日常生活における股関節に余計な負担をかけてしまう可能性のある日本独自の生活習慣やそれに伴う他の部位の影響についていくつか例を挙げてみます。

・和式の生活

(しゃがむことが多く、もともと持っている関節可動域以上を必要とする)

・特徴のある姿勢

(体幹機能を構成するお腹や背中などの筋力のアンバランスや低下)

・歩き方

(和服などでは内股で歩くことが多い)

・スポーツ活動や趣味

(特にヨガや太極拳など大きな股関節の可動域を必要とするもので頑張りすぎると股関節唇の損傷などを引き起こすことがある)

・日常の活動量

(立ち仕事が多く、どちらか片方の足に体重がかかりやすいなど)

上記のような例があるかと思いますが、主に必要以上に多くの股関節可動性を必要とする動作や繰り返し同じ動作をするものが股関節に負担をかける因子と考えられます。

ライフスタイルが変化したときに起こりやすい股関節痛

元々臼蓋形成不全をお持ちの方ではヨガを始めた、太極拳を初めた、マラソンを初めた、お産を経験した、内臓の手術をしたなど・・・ライフスタイルの変化によって痛みを訴える方が多い印象を持っています。

これは多くの可動性を必要としたり、同じ動作を繰り返したり、筋肉のバランスが崩れたりしやすい状況があるからであると推測しています。

実際には臼蓋形成不全があることは本人は知らず、私の方で整形外科を受診することを勧めたあとにわかることが多いというのが現状です。

このような股関節のコンディションが悪い状態で日常生活を続けると、痛みをかばうことで徐々に姿勢も崩れ歩行様式もぎこちない不格好なものになりかねません。

股関節の可動性が低下し痛みが強くなって最終的に爪が切れなくなったり、和式の生活ができなくなるなどして生活に多大な影響を及ぼしてしまいます。

このような状態になったあとで手術を考えるのは非常に大変です。

臼蓋形成不全があるから変形して最終的に手術をと安易に考えるのではなく、普段からのご自身のカラダの状態をしっかりと把握し、どのようにすれば股関節に不必要な負担をかけずに生活できるか?など、どうすればよいかと悩んだら専門家に相談してみると良いと思います。

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理学療法士(Physical Therapist)。
病院勤務時代には、延べ4万人以上のリハビリテーションに携わる。現在は「フィジカルプラス下関」代表として、痛みや動きにくさと向き合いながら生活や競技を続けていくためのコンディショニング支援を中心に活動。地元の中高生からプロアスリートまで幅広くサポートし、山口県スポーツ協会認定トレーナーとして10年以上国スポにも帯同している。

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