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人工骨頭置換術後に「しびれが移動する」「歩くと固まる」のはなぜ?原因の切り分けと改善へのヒント

この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)
人工関節手術後(股関節・膝)
この記事の執筆・監修:理学療法士 木村柄珠(フィジカルプラス下関)

人工骨頭置換術を受け、リハビリを経て退院。「さあ、これから元気に歩こう!」と思った矢先、スネや膝周りに妙なしびれを感じたり、歩く時に足が棒のように固まったりする感覚に戸惑う方は少なくありません。

特に、「しびれる場所が日によって変わる」「歩くと足が重くて出しにくい」といった症状は、術後の経過観察の中で「様子を見ましょう」と説明されることも多く、不安を抱えたまま過ごされている方もいらっしゃいます。

今回は、実際に寄せられた50代女性のご相談事例を参考に、理学療法士の視点から考えられる要因と、機能の安定を目指すための考え方を詳しく解説します。


1. 「しびれが移動する・場所が変わる」際に考えられる要因

「昨日は膝の横だったのに、今日はスネの内側が気になる」というように、違和感の場所が変化する場合、いくつかの生理的なメカニズムが推測されます。

① 組織の修復過程による影響

手術では皮膚や筋肉にアプローチするため、周辺の細い神経(末梢神経)も一時的に刺激を受けます。これらの組織が修復される過程で、ピリピリとした感覚が生じることがありますが、これは術後の経過においてみられる反応のひとつと考えられます。

② 筋肉のトンネルでの圧迫(ハンター管症候群)

膝や下腿の内側にしびれが出る場合、大腿部にある筋肉のトンネル「ハンター管」で神経が圧迫されているケースがあります。これをハンター管症候群(伏在神経障害)と呼びます。術後の腫れや、歩行パターンの変化による筋肉の緊張が引き金となることがあり、腰のトラブルと誤認されやすい症状のひとつです。

③ 姿勢の変化と腰椎への負担

股関節をかばうような歩き方や「反り腰」などの姿勢が定着すると、腰椎周辺の組織に負担がかかりやすくなります。その日の活動量や姿勢によって神経の通り道に微細なストレスがかかる場所が変わると、結果として「しびれる位置が移動した」ように感じられることがあります。


2. ハンター管症候群(伏在神経障害)とは?

聞き慣れない名前かもしれませんが、術後の足の内側の違和感において、臨床的にはしばしば考慮される状態です。

伏在神経(ふくざいしんけい)の役割

伏在神経は大腿部から膝の内側を通り、足首まで伸びる感覚の神経です。この神経は感覚のみを伝えるため、運動機能(筋力)に直接影響を及ぼすことはありませんが、障害されると膝から下腿の内側、時には足首の内側まで痛みやしびれが生じることがあります。

なぜ術後に起こるのか

  • 術後の腫れ:手術による組織の腫れが、筋肉のトンネル(ハンター管)を狭くし、神経を圧迫する因子となることがあります。
  • アライメント(足の形)の変化:手術前後の脚の向きや使い方の変化により、伏在神経が牽引されたり、周囲の筋肉が硬くなったりすることで生じると推測されます。
  • 過度な負荷:回復を急ぐあまり、特定の筋肉に過度な負荷がかかり、緊張が強まって神経を圧迫してしまうケースも考えられます。

3. 身体の状態を確認するための機能チェック

その違和感がどこから由来しているのかを推測するために、理学療法の視点で行われるチェック法をご紹介します。※これらは診断を確定させるものではなく、あくまで身体機能を評価するための指標です。

A. 運動機能と圧痛の確認

  • 足首・親指の動き:足首を上に曲げる、親指を持ち上げる動きが極端に困難な場合は、腰椎レベルの関与が疑われます。
  • ハンター管の圧痛(Tinelサイン):太ももの内側(膝から約10cmほど上方の中央付近)を軽く叩いたり押したりした際、下腿の内側に響くような感覚が出る場合、伏在神経の圧迫が関与している可能性が高まります。

B. 動作による変化の確認

  • 腰を動かした時に変化があるか:腰を斜め後ろにそらした際、スネに響く感覚が出る場合は、腰椎周辺の関与が考えられます。
  • 歩行開始時に変化があるか:「歩き出し」や「体重をのせた時」に違和感が強い場合は、股関節のコントロール(荷重感覚)や、それに伴う筋肉の過緊張に課題がある可能性が高いと考えられます。

4. 「歩くと足が固まった感じ」が生じるメカニズム

足が棒のように感じられたり、スムーズに振り出せなかったりするのは、単なる筋力不足だけではありません。

「荷重(体重をのせる)」に対する防衛反応

術後、無意識のうちに「術側の足に体重をのせるのが怖い」という信号が脳から送られることがあります。しっかり体重がのりきらない不安定な状態で足を前に出そうとすると、太もも周辺の筋肉が過剰に緊張して体を支えようとし、結果として「固まった感じ」や「足の重さ」として認識されます。この筋肉の緊張が、ハンター管での神経圧迫を強める要因となることも少なくありません。


5. 負担の少ない動作を目指すためのストレッチ

筋肉の過度な緊張を和らげ、スムーズな動作を目指すためのストレッチをご紹介します。※痛みがない範囲で行い、違和感が強まる場合は中止してください。

① 足の付け根(腸腰筋)のストレッチ

股関節の柔軟性を保ち、腰への負担を軽減するアプローチです。
1. 片膝をつき、反対の足を前に出します。
2. 重心をゆっくりと前に下ろしていきます。
3. 心地よく伸びる範囲で10秒キープ×3セット行いましょう。

② 太ももの前側(大腿四頭筋)のストレッチ

ハンター管周辺の筋肉の緊張を緩和するための対策です。
1. 立った状態で、壁などに掴まりながら後ろ側のつま先を掴みます。
2. お尻につけるように引き寄せ、腿の前を伸ばします。
3. 10秒キープ×3セット伸ばしましょう。

③ 荷重感覚の再学習(本を置いた足踏み運動)

脳に「体重をのせても安全である」と再学習させるトレーニングです。詳細は以下のリンクからご確認いただけます。


6. まとめ:お一人で悩まずにご相談ください

人工骨頭置換術後のリハビリは、歩行が可能になった段階で一区切りとされるケースも少なくありません。しかし、日常生活をより快適に過ごすためには、「ただ歩ける」だけではなく、「負担の少ない質の高い歩き方」を身につけ、神経や筋肉へのストレスを適切に管理することが大切です。

  • 近隣(下関市周辺)の方へ:個別の動作分析を行い、しびれや歩きにくさの要因に合わせたオーダーメイドのアプローチをご提案します。

術後の不安が和らぎ、再び軽やかに歩き出せるよう、Webを通じてもサポートを続けてまいります。お困りのことがあれば、いつでもお問い合わせください。

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